話すことが苦手な我が子に、
「自分を解放する場をあげる」ということ。
簡単に言うと、「ことばを使わなくても自分を表現できるようなことを経験させてあげる。」ということです。
ってどういうこと?
というわけで、例をふたつ。
ひとつは、造形や、絵を描くということ。
昔から絵を描くことが好きな息子。
技術やセンスは置いといて、小学校の図工も大好きです。
そんな息子が通っているのは、電車で三駅のところにある小さな絵画教室「アトリエ・パンセ」。
ここにはなぜか、いろんな子どもや大人が集まってきます。発達障害、知的障害、肢体不自由、全盲の方も。でも特別な人たち向けではない、誰にでもオープンなアートスペース。
私がここを選んだのは、玉川上水沿いの自然豊かな環境と、子どもに自由に作品をつくらせてくれる雰囲気に惹かれたからです。
アトリエを主宰されるN先生は、この道40年の大ベテランの絵の先生ですが、子どもに技術はほとんど教えず、手法とテーマだけをポンと渡す。あとは自由に、のんびり、自分のペースで描いたり、こねたり、つくったり。自分の作業が終わったら、好きな時間に、さようなら。あとは、置いてある漫画を読むもよし、帰るもよし、友達とトランプするもよし。
本当に自由な雰囲気なんです。
息子は三年生から通ってるのですが、五年生になった今は、自分で行かせています。
先生もおっしゃってましたが、ここは息子にとって大切な自由空間。
あーしろこーしろ言われず、あれこれ叱られ正されない空間。家庭や学校で、会話や説明をする小学生なりの社会的責任から解放されて、自分の内側にある気持ちや、想像力を手で自由にカタチにすることができる。
上手/下手、正解/不正解で分けられない世界。大事ですよね。
もう一つは、つい最近はじめたこと。
友達が作った和太鼓サークル。
これは、以前から息子にかなりやらせたかった!地域の公民館に集まるので、友達に連れて行ってもらってます。
息子にとって嬉しいこと。
まず、話さなくていい!(太鼓の音がうるさくて会話できない)
あれこれ指示されない!(打ち方だけ覚えちゃえば、あとは打つだけ。)
これが、話すのが苦手で細かいことを整理できない息子には良いみたいです。
まだ、まわりと合わせたりは全然できないけど、少し慣れてきたので、打ち方に自分らしさが出てきた様子。
毎回かなり強く、汗かきながら叩いています。
大人でもかなりのストレス解消になる、というママ友の話を聞いて、つねづね息子にやらせたかった。やらせて良かったなー、と思います。
そういえば以前あるドキュメンタリーで、小規模養護施設(グループホーム)の少年たちが和太鼓をやっていました。
激しい和太鼓の響きには、内にある言葉にならない想いを、叫びながら吐き出すような要素があるのかもしれません。
というわけで…。
創作と和太鼓。うちのADD子育てでは、こんなことやってます。
あとは、料理とか。
なぜ、こんなことをやらせてあげたいか、というと…。
ADHDやADDの子どもたちは、毎日、たくさんがんばっています。
だけど彼らががんばってるのは、人から見たら「簡単なこと」、「当たり前のこと」。がんばっても褒められたり決してしないことです。
大きくなればなるほど、複雑になる毎日。勉強も、学校での決まりごとも、人間関係も。
それを、うまく言葉に出せない、外に出せない辛さ、失敗ばかりする悔しさも抱えています。
そんな彼らに、自分らしくいられる場所、無心になれる時間、評価されない安心感をあげたい。疲れた頭を、心を、少しでも休ませてあげたい。
本当は家がそういう場所になればいいけれど、家って、まんま生活訓練の場。やらなくちゃいけないことが多くて、安らげない時もあるんですよね。そのへん、ガミガミしちゃう親が悪い時も多々あるんですが…
自己表現が苦手な子たち。
でも、いつもがんばってる子どもたち。
休んで、笑って、エネルギーをためて、彼ららしく羽ばたけますように。
そう願ってます。


