私の花好きルーツ


実は幼少時の遠い過去にあります




興味の無い方はスルーしてください(笑)







私には一緒に住んでいる全盲の祖母がいました


気が強くて全盲なのに掃除も洗濯も炊事もできて


今みたいに育児休暇の無い時代


全盲の祖母が私の腰に三尺の帯紐に大きな鈴をつけて


共働きの両親のかわりに毎日子守をしてくれていたそうです




ばあちゃん、洋服は出かける時だけで


普段は着物にもんぺ姿のむかーしむかしのばあちゃんなんです


生まれつきの全盲ではなく


戦時中に感染症になり


両眼球を失いました


その時、母の姉になる娘が一人


母の兄に当たる男の子は幼少時に病気で亡くなったそうです


夫であるじいちゃんは戦争で遠い満州に


終戦後帰ってきたじいちゃんは妻が視力を失っていて驚いたことでしょう




その後私の母を出産


全盲で2人の娘を育ててきました





そんな祖母の趣味は民謡を歌うことと花を愛でること


しばらく私は一人っ子状態で兄弟ができませんでしたから


毎日をその祖母と過ごしていました


今よく覚えているのが祖母と遊んだ花遊び


行商の花屋さんが玄関先に花を売りに来てよく花を買っていましたから


「この花は何色?」

「どんな形?」

「花びらは何枚?」


花の香りを漂わせ、ばあちゃんとこんな風によく遊んでいました


全盲ですから香りしかわからない祖母に


花の色や形を教えるのが楽しかった



そんな風に私はあっという間に時計もカレンダーの読み方も


幼稚園に入園する前に覚えてしまったのだとか




そして花好きも今もなお引き継いでいます

(ちなみに私を看護の道へ導いてくれたのも祖母です)




その祖母が急に具合が悪くなって入院


あと数日といわれて意識が混濁していた時


庭先の水仙を切って病室へもって行きました


病院に香りの強い水仙なんて・・・


でもばあちゃんは


「あぁ・・・また今年も水仙が咲いたな。そのにおいは変わり咲きの水仙のほうだ。」



部屋中に水仙の香りが満たされて庭にいるみたいでした





そして翌日、入院してたった3日で2人の娘に看取られて天へ昇っていきました





ボケることも無く、腰が曲がることも無く、寝込むことも無く


しゃべることも耳も達者で入院するまで自立していたばあちゃん


数年前に先立ったじいちゃんの仏壇の前でよく昼寝をしている姿を思い出します


そこにはいつも庭先で咲いた花が一輪挿しに・・・


線香の香りと花の香りに包まれて昼寝をするばあちゃんは幸せそうでした






目に見えるものだけが本来の姿ではないことを


幼いながら、ばあちゃんに教わりました




ビデオに残る私とばあちゃん


そこに私の花好きのルーツもあるのです