久々にふたりで車に乗った。
運転席の後ろのチャイルドシートに乗った愛子はマンションの敷地を出る前に泣き出した。
それはもう、地獄の入口に立たされた赤子のごとく、猛烈に泣いた。
僕は声をかけ、信号で止まるたびにサイドブレーキを引き、振り向き、愛子に触った。
でも、そんなことでは彼女を地獄から救うことは出来なかった。
もう、笑うしかないくらいの泣き声。
咽を潰した、低音の嗚咽が車内に響き渡る。
僕は声帯に影響がでるのではないかと不安になる。
ようやく、目的地に着いた。
そして、そこにママがいた。
そして今。
愛子は助手席に捕まりながら、満面の笑顔を讃えている。
髪の毛は風呂あがりのようにびちょびちょで、
前髪はおでこにわかめのように張り付いているけど、
とても満足そうに、僕を見つめている。
車内にはきゃっきゃっと愛子の笑い声が響いている。
天使のささやき。
天国と地獄。
子供は行ったり来たりしている。
大人になると、地獄が怖いから知識を得て、
でもそのかわりに、天国への切符を見失ってしまう。
愛子の世界は広い。
運転席の後ろのチャイルドシートに乗った愛子はマンションの敷地を出る前に泣き出した。
それはもう、地獄の入口に立たされた赤子のごとく、猛烈に泣いた。
僕は声をかけ、信号で止まるたびにサイドブレーキを引き、振り向き、愛子に触った。
でも、そんなことでは彼女を地獄から救うことは出来なかった。
もう、笑うしかないくらいの泣き声。
咽を潰した、低音の嗚咽が車内に響き渡る。
僕は声帯に影響がでるのではないかと不安になる。
ようやく、目的地に着いた。
そして、そこにママがいた。
そして今。
愛子は助手席に捕まりながら、満面の笑顔を讃えている。
髪の毛は風呂あがりのようにびちょびちょで、
前髪はおでこにわかめのように張り付いているけど、
とても満足そうに、僕を見つめている。
車内にはきゃっきゃっと愛子の笑い声が響いている。
天使のささやき。
天国と地獄。
子供は行ったり来たりしている。
大人になると、地獄が怖いから知識を得て、
でもそのかわりに、天国への切符を見失ってしまう。
愛子の世界は広い。