*オリジナル神経系?ホラーです。

*神経過敏なかたはスルーしてください。

 

 

【フォルトナイト】

 

 

其の三

私の裁判が始まるようだ。
殺人罪。
そんな重い罪を私が犯すとは思わなかった。
夢にも思わないとよくいうが、
夢が夢ではなかったのである。


其の一

長い眠りから覚めた私の手は、
血のような液体で酷く汚れていた。
しかし私の身体には傷ひとつない。
絵の具だろうか。
いや。
この生臭さは血液に違いなかった。
ただ何も覚えてない。


其の二

私は逮捕された。
証拠は本来認知症患者の見守りに作られた、
ヒューマンレコーダーの記録だった。


三白眼の刑事が私を問い詰める。
やったのか。
覚えてねぇのか。
はっきりしろこの野郎。


私の記憶より記録が確かなんだから、
間違いないとさっきから言っている。


其の四

法廷で私の犯罪の映像が延々流れる。
知らない誰かをナイフで突き刺した。
大量の返り血を浴びて笑っている私。
眠っていた私が勝手にやった人殺し。
裁判官は特殊な夢遊病の一種と言い出した。

まさか思わないよ。
寝てる間に無意識に人を刺し殺すだなんて。

気の利かないジョークだな。
私は眠っていただけだ。
なんでこうなった。
私は人殺し。

 

 

【終わり】