壁にもたれてシンナーを吸っている私の横に
一人の少女が座り一緒に吸おうとした時
「これはひとりになるためのものだから」
と暗に追い払ったことがある。

独りの私がもっと独りになるための道具が薬物だった。
ウニカ・チュルンが『ジャスミンおとこ』の中で
「暖かさへの道を捨てて寒さを殺す」
と書いているがまさにそれだ。

何か苦しいことがあって薬物を使う。
その時、薬物はどのようにその辛さに効くのだろうか?
薬物は魂をある全体性の中に包み込むことによって
一つの苦しみを苦しみと感じさせなくする。
ハートが麻痺した状態がハートの存在を感じさせなくする。

独りの私がもっと独りになるためには
私という存在全体が大きな闇に包まれ
やがては闇に溶けていく必要性があった。

同様に回復という場面で、全体性への希求を満たす作用が魂に働く瞬間がある。
今度は大きな光に包まれその光の中に溶けていくような喜びがやってくる。
もちろん、これは比喩に過ぎないが、それを感じた時、ターニング・ポイントの上に私は立っていた。