「パスタは太らない」は、本当か?

 先日、ある研究論文(※)をきっかけに、ニュースサイトやSNS上で大きく盛り上がっているテーマがあります。それは、「パスタは食べても太らない」というもの。

 えーーーっ!! これが本当だとすれば、都合がよ過ぎる夢のような話ですよね! そして想像通り、この内容や研究体制などに対し、多くの疑問・批判が寄せられています。もちろん私も本議論に参加しようとは思いません。なぜなら、みんなが本当に知りたいのは、「ダイエットになるパスタの“食べ方”」なのだから!


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 そこで今回は、「太らないためのパスタの食べ方」について考えてみることにしましょう。堅実な4つのアイディアをまとめてみました。

きっかけとなった論文(すべて英文)
Effect of pasta in the context of low-glycaemic index dietary patterns on body weight and markers of adiposity: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials in adults

◆パスタでダイエットを実現!確かな4つの戦略とは?

(1)パスタ量をほどほどに
日本のパスタ1人前は、「どんぶり飯」と同量。1食70gを意識せよ!



 パスタで痩せようとするならば、まずはパスタの食べ方を見直す必要がありそうです。

そうです日本ではパスタをメインとして食べることが多く、その量は1人分100g(乾麺)。

男性であれば大盛り(150g)に増量する方も少なくないはずです。

乾麺パスタ100gはゆでると240gとなり、これは白米で重量換算するとどんぶり1杯と同等に。

これを気にせず食べながら、ダイエットを目指そうなんておかしな話です。

パスタの低GI度を活かしつつ、茶碗1杯の白米と同じ糖質量にそろえてみると、乾麺74gという数値に。

つまり、パスタはいつもの7割程度を意識すべきなのか。

(参考)
白米茶碗1杯 140g 糖質量51.5g、235kcal

白米どんぶり1杯 240g 糖質量87.9g、403kcal

パスタ乾麺100g(ゆでパスタ240g) 糖質量69.5g、378kcal

⇒白米茶碗1杯と同糖質量のパスタ量は、74g!

(2)オイルを味方にする
血糖値の急上昇を防ぐために、良質なオイルで調理せよ!

 海外モデルのダイエットメニューとしても食される「白パスタ」。これはゆでたパスタにオリーブオイルをからめただけのシンプルなものですが、オイルをコーティングすることで、食後における血糖値の上昇・低下が緩やかになると報告されています。また腹持ちが良くなり、間食を防ぐ効果にもつながります。上質なオリーブオイルもしくはアボカドオイルをパスタの相棒としてそろえましょう。


(3)「冷たいパスタ」を選ぶ
太りにくいでんぷん=「レジスタントスターチ」を意識せよ!

 これから夏に向けて実践しやすいのが、「冷やしパスタダイエット」。実は、ゆでたパスタをしっかり冷やすことで、「レジスタントスターチ」というでんぷん(炭水化物)が増えるそうです。これは、消化吸収されにくく、カロリーになりにくいのが特徴のため、ダイエットに都合がよいとされています。また、食物繊維のような性質を持ち、小腸で消化吸収されずに大腸に達し、大腸をキレイにしてくれる効果も。劇的なダイエット効果を期待してはなりませんが、こういう工夫こそコツコツと!

(4)パスタの糖質量をセーブする
糖質オフパスタを活用せよ!

 最近大手メーカーから登場しているのが、「糖質オフパスタ」。味への追求も進み、おいしいと言える商品が増えています。通常のパスタの代わりに使えば、自然と糖質オフ&カロリーオフが実現できるため、どうしてもパスタ量がセーブできない人や、冷凍パスタを常備している人にこそオススメしたいアイテムです。

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<TEXT,PHOTO/スギアカツキ>
【スギ アカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、独自で長寿食・健康食を研究し、各メディアで活躍中。



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