メンバーから仮ミックスに合わせてギターとベースを録りなおしたデータが届いたら、一通り聴いて音のイメージを確かめる。
そして、追加されたトラックを手元のデータにコピペしてミックスを再開。
ホワイトノイズ部をカットしたり、やり直し部分の切り方を変えて繋ぎを滑らかにしたり、ちょっとミスってるところを他の部分の音と差し替えてみたりする(これが上手くいくと気持ちいい)。
そして改めて音量とPANをいじってバランスをとる。
色んな楽器の音が重なってくると、それぞれの楽器ではいい音なのに、狙ったような音として聞こえなくなってくる。
これが所謂「音の抜け」と言うやつで、僕の理解では音域(周波数帯)にかかってくる。
ドラマーとしての感覚だとスネアのチューニングでよくある。
バンドの中では埋もれてしまって聴こえづらいとか。
大体がピッチをあげる(少し高めの音にする)と聴こえてくる。
つまり、その音域で鳴ってる音が少ないのだ。
音量を絞っても目立ち過ぎちゃうというのも同じ理論。
音域でも音量でももう調整効かない!となったらPAN。
今更ながらPANとは、左右の音量バランスを変化させることで、音の大きい方に音源があると感じさせる技法で、似たような音色でも左右に振ってあげるとはっきりと聴こえてくる。
比較する音は1つ2つではないので、トラックが多ければ多いほど難しい。
試行錯誤を繰り返し、やればやるほど正解から遠くなっていく感覚に襲われる。
ふと、前回のレコーディングはシンプルだったけど、出来上がりの音はとても良かったなと前作を聴き直す。
ここで考え方を変えることにした。
ドラムのマイクは増えたけど、前回同様にキック、スネア、オーバーヘッド(LR)の4本で音作りをし、ハイタム、ロータム、フロアタム、ハイハットは補填的に重ねることにしたのだ。
これがとても上手くいって、前作と違和感のない仕上がりになった。
最終的なドラムのイコライジングを公開。
誰かの役に立てば。
↑エアー(L)
↑エアー(R)
↑バスドラ
↑ハイハット
↑スネア
↑ハイタム
↑ロータム
↑フロアタム
どんな仕上がりだったかは、是非音源で。
次回はリアンプ。つづく。