ある平日の午後、家のインターホンが突然鳴りました。受話器を取ると、「警察です。お隣の方についてお聞きしたいことがありまして、玄関まで来ていただけますか?」と言われました。警察官が家に来るなんて滅多にないことなので、驚きとともに緊張が走りました。

玄関のドアを開けると、3人の警察官が立っていました。「最近お隣の方をお見かけしましたか?」と尋ねられ、「最近は見かけていません」と答えました。隣の方は一人暮らしで、精神的な問題を抱えているようです。ヘルパーの方が先週から何度か訪問しているのに、インターホンを鳴らしても応答がなく、電話にも出なかったため、警察に連絡したそうです。

警察もインターホンを鳴らしてみましたが、やはり応答がありませんでした。警察は隣人の所在を確認するため、一人の警察官が「ベランダ越しに隣の家に入りたいので、お宅に入っても良いですか?」と尋ねました。特に断る理由もなく、「どうぞ」と了承しました。

家に入った警察官を見ると、何も悪いことをしていないのに、なぜか緊張してしまいました。ベランダに行く前に、「もしも大変な事態が起きていた場合、不便が生じるかもしれませんので、先にお知らせします」と言われました。そんなことを言われると、「最悪の事態が起こっているかも!」と思い、少し怖くなりました。

数分後、家のインターホンが再び鳴り、「警察ですが、お隣さん、いらっしゃいました。ご無事でした。お騒がせしました」と言われました。最悪の結果にならずにホッとしました。

ほんの10分ほどの出来事でしたが、非常に緊迫した長い時間のように感じました。隣の人には、連絡や訪問があった時はちゃんと応対して欲しいなと思いました。