近年稀に見る傑作かもしれません。
さすがはフィルメニッヒ社のオリヴィエ・クレスプとジャック・キャバリエの作品
彼らの放つ魔法によって、ニナの秘密の夢からこのフレグランスが生み出されたのですね
フレグランスにはコンセプトや、ストーリーがあります。
このニナはそれが確固たる故、素晴らしい作品に出来上がったように思えます。
フレッシュフローラルフルーティの香調。
真っ赤なりんごのボトルが、思わず目をひきます。
ニナリッチの「ニナ」という同じ名前のフレグランスがかつてありましたが、
まったく違う香り、テーマになっています。
そのボトルは魅惑にあふれています。
このクリスタルのボトルは、かつてのフレグランス「フィーユ・ディヴ」を現代的にアレンジしたもの。
フランボワーズ色に輝くクリスタルガラスにハレーションによる装飾が加わって、
まるで摘み取ったばかりのリンゴのようです。
私がこのフレグランスに出会ったのは、発売直後の2006年9月のパリ。
シャンゼリゼ通りのセフォラのエントランスに入るなり手渡された、
リンゴ型
のムエット持ち手はロリポップのような棒になっていました。
まずは果肉のすっぱくフルーティなやわらかさ、
それを追うようなクリスピーで魅惑的な甘さが、
アップルトフィーを思い起こさせます。
フレグランス売り場の一番奥の「ニナ」のプレゼンテーションの場所にたどり着く頃には、
ビロードのような花びらのほのかに甘い香気を感じ、
さらに、ショップを後にした頃にはラストのアップルウッドやホワイトシダーが滑らかに香り、
ムスクの優しい甘さに抱擁されるような・・・。
最初は一瞬、
グルメノート真っ盛りの市場に「NINA RICCI」もとうとう迎合したのかと思いましたが、
フルーティーな分かりやすい甘酸っぱさから始まったはずが、
次第に惑わすような甘さに香り、コントラストの妙の素晴らしさを感じるのです
「現代のヴィンテージ」ともいえるエスプリは、パッケージの演出にも顕れています。
輝くシルバーの茎と葉の部分には「NINA RICCI」の文字が刻印されており、
果実の華麗なトーンとは見事なコントラスト。
それだけでもあらがいがたい魅力あふれるボトルを
更に柳のカゴのような編み込み仕上げの白いエレガントなパッケージに収めています。
内に秘めたかけがえのないものを見つけたい、と夢中になり
私は直ぐに購入したい衝動を抑えて、一度ホテルに戻りました。
部屋でそのムエットと対峙し、先ほど目にしたボトルを思い浮かべていると
少しずつ解き明かされていく、その不思議な魅力……。
数時間後、改めてセフォラに足を運んで手に入れました
トップ:カイピリーニャライム、カラブリアンレモン
ミドル:アップルトフィー、ピオニーぺタル、ムーンフラワー、プラリネ、
バニラインフュージョン
ラスト:アップルウッド、ホワイトシダー、コットンムスク