ようやく、この時間がやってきた。

平日の5日間、私はずっと「外の世界」のノイズに晒されていた。 職場の誰かの小さな溜息、遠くで響く意味深な笑い声。 そして、通勤電車のあの狭い空間での不快感。

HSPの私のアンテナは、それらをすべて拾い集めては、少しずつ心を削り取っていく。 でも、今この部屋には、私を傷つけるものは何ひとつない。

まずは、平日のバタバタで乱れてしまった部屋を、ゆっくりと整える。 掃除機をかける音さえ、自分のペースで動かせるなら、それは心地よい「リセット」の音に変わる。 床を拭き、視界に入るノイズ(散らかったもの)を消していくたびに、頭の中の霧が晴れていくのがわかる。

そして、大切な観葉植物たちとの時間。                     

彼らは、私を値踏みするような視線を向けない。 コソコソ話もしないし、突然大きな声で笑ったりもしない。 ただそこにいて、静かに呼吸をしている。

手に乗るほどに小さかったテーブルヤシが黄色い花をつけるほど立派になった。

所狭しと太陽に向かって大きな葉を広げるモンステラ。                

じっくりと土の乾き具合を確かめ、葉の表面を優しく拭いて、水をあげる。 緑の葉が艶やかに光り、水を吸い上げる微かな気配を感じるだけで、私の空っぽになったエネルギーが、じわりと満たされていく。

「あぁ、落ち着く……」

今週も投げ出さずにやり遂げた自分への、最高のご褒美。 この静寂と、指先に伝わる土の感触。 それだけで、明日への予期不安で強張っていたお腹の痛みも、少しずつ解けていく。

今夜は、整った部屋で、大好きな香りに包まれて眠ろう。 誰のためでもない、私のための休日。 この穏やかな時間が、私をまた「私」にしてくれる。