今日は片道2時間かけで電車に揺られながら

少し遠くにいる彼の家にお邪魔しに行っていました。

 

朝から乗りたかった電車を逃して

ごめんなさい、と彼に電話で謝罪するのも何回か目。

それでも「大丈夫だよ。待ってるから気を付けて次の電車で来てね」と優しい彼に

甘やかされて、罪悪感にかられるのも何回か目…。

 

 

そんな日の帰り道

22時着の電車が駅につき、朝から乗ってきた愛馬(自転車)にまたがって

まだ寒い夜の道を走行していた時でした。

 

 

土曜日の夜ということもあり、酔っぱらった人が多すぎる…。

 

 

ゆらゆらと左右に揺れながら歩く、年齢層の高い夫婦の横を通り過ぎる時

危険を感じた私は、普段絶対に鳴らさないベルを鳴らしました。

(警音器は場合によって、法律違反になるのでお気を付けください…!!)

 

すると、その音を聞いた旦那さんが

 

 

チリンじゃねえぞチリンじゃ!!歩行者轢いたら人殺しだぞ!!

 

 

と、普段浴びせられない罵声が私に降り注ぎました。

 

その後も何度か「人殺しだ」「歩行者を寄せるな」などと強い言葉を言われ続けるも

 

関わっちゃだめだと感じた私は、これでもかと言わんばかりに聞こえないフリ。

もちろん周りの通行人も私と同じスタイルを貫く…。

 

スペースを開けてくれたその横を通り抜けたものの

その手前の信号に引っ掛かり、その夫婦と地獄の空気に。

 

ですが、その空気を破ってくれたのは

 

 

「あのね。自転車に乗る人も、ちゃんとわかって乗ってるんだよ」

 

 

という、奥さんの一言でした。

 

 

思わぬ一言から、横目でその夫婦の姿を目にいれると

どこかで見覚えのある顔。

 

 

よくよく見てみると、私のバイト先に来てくれるお客さんだと気が付くことができました。

 

 

カラオケでアルバイトしている私は

とにかくお客様の顔をよく覚えてしまいます。

 

なによりその夫婦のお客様は

私の接客を「丁寧ですごく好きだ」と笑顔で喜んでくれた唯一のお客様方で

 

 

「昔はよく来てたんだけど、久しぶりに来てみたら貴方みたいな人と出会えてよかった。次来るときは貴方がいる時にしたいね」

 

 

なんて、接客業をしていて一番嬉しい一言を言ってくれた

感じのいいお客様を忘れるはずがなかったのです。

 

 

未だに私の事を「自転車を運転する奴はマナーが…」と言い続ける旦那さんも

あの時の私を評価してくれた人だと思うと

 

気が付けば怒りや嫌な気持ちはなくなっていきました。

 

 

以前、アルバイトとしてお会計をしているとき

「障害をわずらっている」と奥さんは私に話してくれました。

 

きっと今まで経験してきた私の辛さとは比にならないくらい

ご夫婦には辛いことがあったのかもしれないと思うと

 

一他人への当たりが強くなっているのかもしれない。と考えた反面

そんな中で私を一他人として褒め、求めてくれたと思うと

なんだか嬉しい気持ちにさえなりました。

 

 

 

信号が変わり、少し寂しい気持ちになりながらご夫婦の手元を見ると

 

固く繋いだ手の間に

バイト先の『フライドポテトの袋』が、二人によって強く握られていました。

 

 

「(私がいると思って、また来てくれてたのかな…)」

 

 

たとえ私に合う為なんかじゃなくても

久しぶりに来た、と言っていたお二方が間隔を開けずに来てくれた事実に

 

物凄い幸せを感じていました。

 

 

私は今度こそご夫婦を通り過ぎ

安全運転で帰ります…。と心の中で旦那さんに気持ちを伝えて

長い長い一日の帰路につきました。

 

 

 

 

今日の素敵な出来事もこれにて終了です。