いやぁ、このご時世に最後まで一切手加減なく、容赦なく、嘘なく、つまり誠実にやり切ってくださいましたよ、うえくみ先生が!


最近の先生の作品いくつかは、まあ先生はやはりアンビバレント、葛藤がお好きやねんやと一定して面白いけど、突き抜ける「またやってくれたー!」みたいな、私の中の反骨心揺さぶるのはなかったけど、

特大やらかしてくださったかもー!!!

まじで最高!!


宝塚だからそれでも上品やし、多分大丈夫やとは思うけど、そうゆう「ここまで、やったらさすがにやりすぎかな…もっとオブラートに包んだ方がいいかな?」みたいな、いわゆる配慮、空気読む、遠慮、気配りが一切ない、寧ろ、この作品でこれをやっちゃあおしまいだし、絶対やらねぇ!!てのが…さいっこう!!



そして、それにこたえた宙組…!

しかも半分の人数で。


テーマ的に、終戦記念日のある八月にずれ込んだのも象徴的やし、ここまで正直な作品が世の中に出ないはずがないので、コロナ禍とはいえ、ちゃんと上映されないはずがなかった、という運命論。しかも地域的には二地域になったしね。



最後の挨拶で、ききちゃんが泣き、まかちゃんも涙ぐみ、観客も爆泣きよ。なので古潭ラーメンで塩分補ってる私なうよ。
梅芸まできたらやはり古潭に限る。


座席数は減って、観客も静かにマナーを守り、でも拍手はでっかく、人数半分とは思えない、そんな愛深いヅカファンも私は大好きよ!帰ってきたわ。


ネタバレ絶対ない方がええので、これ以上は今日は書かないで置こうと思います。


ただ一つ、書くとすれば、うえくみ先生が容赦なく書き切った、そのひとりの人間の誠実な全表現を、
「わかりやすくしよう」という「気遣い」といえば誠実な美徳ではあるが、不誠実な嘘、伝わらないという諦念、ともすれば他者への侮りになるかもしれないそれを一切排した「ぶつかり」を

他人であるジェンヌさんが、それこそ理解して、腑に落として発した。だから説得力があり、うえくみ先生の思いがダイレクトに伝わってきたこと。

それが可能なのは相互理解あればこそ、人間の普遍的なテーマであればこそなので、誰もが人ごとではないし

先生は、宙組のこのメンバーなら見れる、宝塚歌劇団ならやらせてくれる、そして宝塚の観客となら(勿論全員でなくても)受け止めてくれると信じてくれたからこそ、容赦なく書いてくださったんでしょう。


その信頼が…あかん、書いたら古潭やのに泣きそうやわ。

先生も、それこそ全体主義のように、全員に受け入れられる何か、そんな「正解」を書きたいとは思ってないし、寧ろそんなものがあればそれは文化や芸術、多様性の死だと思うでしょうから

これがどこまで宝塚ファンに受け入れられるかはわかりません。(一般外部受けは寧ろ良さそうやけど笑。)


ただ、わたしは今までで一番、うえくみ先生と語り合えたような、大好きで強烈な、宝塚カムバックに相応しい一本目でした!

いやまぁ、自粛中も宝塚はなんやかんや享受してましたけどね笑。


次は平和にはいからさんいくよー!
まっててね、生少尉ー!