ハリゴシ、トリですよ!!!

 

11.翔ちゃん!!!!!!!

 

何から何まで素晴らしかった。

なんか、今まで私が見てきた翔ちゃんの舞台が全て背景に見えたような。

 

 

とーこちゃんと声優の緒方さんが私世界でナンバーワンVOICEなのは不動だとして、

翔ちゃんの声、現役の男役ジェンヌさんでやっぱ一番好きな気がするんだけど…。

歌声、というか歌はあーちゃん(留依くん)も狂おしいほど好きなのですが。

 

翔ちゃんは、歌もだけど、セリフを話す声、そして観柳のときに全開だった喉声(アメリカ人の英語で使ってそうな部分、私はしたくてもできない)がたまらない。

ひとこちゃんは、ときめきというより「ええ声や~」と癒し?賞賛?なんですが、翔ちゃんの声はひたすらにときめく。「あ、好き♡」てなる笑。雪組公演の翔ちゃんの第一声に、毎回「あ、ダメ。この声やっぱ超好き」と思っている。

 

前半はコンラッド中心で物語が進んでいくのですが、後半、物語の起点がほぼ翔ちゃんでして。

というか翔ちゃんのお薬問題でして。

つーか、ジェリーの「体調が悪い」という情報が初めてほのめかされたとき、まさかお薬事情だとは思わなかった。

これが漫画ならお察ししたけれども、まさかヅカで中心人物がお薬キメてくるとは…。

ヅカにハマる前に、抽選で当てて見た宝塚「パリの空よりも高く」の観劇後、興奮して「何か買いたい!」と思って買ったのが、なんとビデオテープだったという私(ていうかそのときハマっていればとーこちゃんに…うんたらかんたら)。

そのときジャケ買いしたのが「DAYTIME HUSTLER」だったのですが、当時からフラグを立てていたのでしょうか。

そんなヅカファンになる前のフラグ、とっくに忘れてましたがな!!

 

いかにも大スターで、エンタメ界の煌びやかさを一心に纏っている前半も最高にかっこよく、それだけでも元々かっこいい翔ちゃんのキレキレイケメン大濃縮で観に来た甲斐があらぁってなるのですが

狂っていくサロメ王を見れて、もう…私の宝塚観劇史上にも残る名演技、名シーンです。

観柳も大大大大好きでしたが、イケメンの翔ちゃんが、その美しさを…うーんなんていうの?脱ぎ捨てる、ではなく、上回るでもなく…ぶち破って?内面を大放出すると、鬼気迫るものがあります。

 

観柳の見せ場では、感情の高ぶりに比例してぶっ放してらっしゃいましたが、

今回のサロメ王、狂気が迸り、放出されているものはフルスロットルにも関わらず、セリフは緩急がついて、変幻自在で。

例えば、こちらが感じている狂気のエネルギーからすると、高笑いしたり、声を張り上げていそうなところを、音量が小さかったり。そのコントロールが圧巻でした。ヒゲの翔ちゃん、若き好色な王、だけでも後半オールオッケーなのに、そんなにされたら、チケット100枚買っても足りないやん。

 

そうそう、田淵先生の今回の脚本、

筋としては割とベーシックだからこそ、役者の演技で変わる、実力派がやらないとおもしろくない、実力派がやったらめっちゃ堅実な良作になる、て点もポイントやったんですね。要は雪組サイコーてことですが。

 

雪組の皆様一人一人が、その「役者がいいから良質な舞台になる」に貢献していらっしゃって。なかでも咲ちゃんと翔ちゃんの二人は、やはり筆頭でした。

 

咲ちゃんは特にラストの青春恋愛物語にもっていったところ、そして翔ちゃんはイケメン大俳優の煌びやかさ及び後半の狂気。

 

活字にするとお二人のお役って

「映画が好きで役者を目指すもエキストラの日々。ひょんなことからスターになると、調子に乗って周りと距離ができる。その後、案の定その地位を失うも代わりに恋は残る青年主人公」と、

「彼とは反対にこの世の春を謳歌する大スター、だけど主人公にその地位を脅かされ、ドラッグに走り転落する2枚目俳優」

になるわけで。なんとまぁ基本に忠実。

 

しかし、そのテンプレに「コンラッド」と「ジェリー」という強烈な個性を色づけて、忘れっぽい私でも忘れられない舞台にする。(いや細かい点は忘れそうだけど笑。印象として)

最高やった。ほんま。

 

フィナーレの気迫、目力にも殺されましたし、始終神がかっていましたね凪様。ていうか、はじめから終わりまで殺されましたね。私の不死性にも磨きがかかりましたわ。よくぞ生還した私。

 

咲ちゃんも翔ちゃんも、鋭くて鋭くて、ヅカの楽しみの一つ「生徒さんの進化を見届ける」が詰まった舞台でした。

探偵SAGIRIをおさらいしててよかった。ちぎちゃん、ありがとう!!!笑