きょう、
知的障がいの人で結成されている、
プロの和太鼓チームのコンサートに行ってきた。

演奏は、
言われなければ
障がいのある人だとは
わからないレベルで

更に

『一人前の社会人として認められたい』

そういう
魂の叫びが
体中から溢れ出していて

見ている間、
ずっと涙がとまらなかった。


自分の障がいを受け止めた上で
決して障がいに甘えることなく、
プロ意識を高く持ち
観客を愉しませようとするその姿に

人間の強さを感じた。


ハルは
息もつかずに
ずっと見入っていた。

些細なことで最近
落ち込んでいたハルはきっと
『情けない』
と、自分を恥じていたのかな。。。

アンケートには
『自分も小学校の頃いじめにあっていました』
そう、書いていたから、
自分と重ねて
輝いているあの人たちを見て
何か決心がついたのかもしれない。。。


障がいの重さでいえば
発達障がいは軽いのかもしれないけど

支援も施設も社会的位置も
全てあいまいで理解されない

そんな、
他の障がいとは全く違った悩みを
本人とその家族は
乗り越えて行かなきゃならない。


ハルは
どう考えているんだろう。

どっちで生きていくんだろう。


そして今も、
ハルは太鼓の稽古に行った。



ハルの所属しているチームは
組太鼓の中でも特別、
『振付が全員ぴったり揃っている』
それが有名なチームで

ハルが入るまでは
障がい者どころか、
どちらかといえば
とくべつ運動神経やリズム感が優れている
そんな子どもが選抜され、
何年もかけて育て上げてきた
プロ育成チームだった。

そのチームに憧れ
ジュニアに入ったハルは
3年かけて最下位でメンバーオーディションに受かり
親としては
それで充分ゴールだった。

続いたこと自体が
“奇跡”だ。
そう、評価した。



でもハルは違う。

次の本番で、
いつもセンターの横で打っていた
2位の子が休むことになり、
練習の段階では
ハルがそのパートを打つことになった。

ところが
本番近くなり、
いざ、誰がそこで打つのかと
選抜オーディションが行われ・・・

ハルは落ちてしまった。
かわいそうに。
それなら最初から打たせなければいいのに、と
口を出しそうになったところだ。


ハルは今回のステージに
特別な人を呼んでいた。

小学校一年生の時から
ずっとハルの味方をしてくれていた
面倒見のいい女の子。
毎年同じクラスになっていた。

中学に入って
ハルが特別クラスになってからも
声をかけてくれていた。


『今回はセンターの横で叩ける』
そう思ってハルは
その子に見に来て欲しいと

引越で離れてしまう、
最後に誘ったんだ。




選抜の日は
車のドアを一度蹴っただけで
泣いて暴れたりはしなかった。

落とされた理由も告げられず、
ただ受け止めるしかないと
諦めて帰ってきたのか。
そう思っていたら、

『まだ一週間ある』
そんなことをつぶやいた。



ハルはまだまだ
上をみている。

そろそろ振付も
ついていけなくなってきている。
何が違うのかも
気付けない。
教えてもらえない。

そんなしんどいチームより、
もっとのびのびと演奏できるチームが
ハルには合ってるよ。

今日のコンサートを見て
なんだか堅苦しく我慢しているハルの演奏が
違うと思った。。。

発達障がいの子だけで
自由に表現できるチームを探そうか。
そうも考えた。


でも
ハルはそれを望んでいない。

本当の意味で
発達障がいの子どもたち、
そしてその家族に
夢を与えることができるのは

ハルがきっと
健常者の中で同じように扱われ、
同じようにトップの位置につくことなのかもしれない。




つらくて
遠い道のりだ。

でも、
きっとハルにはできると信じて
ままは付き合うよ。





来週の本番は
センターの横か、
それとも曲の後半から端っこで叩くのか。。。

どっちにしてもあの子はきっと、
ちゃんとハルを見ててくれるよ。