この写真のキット群だが、共通項は古いプラモでスジボリが凸線だということだ。
昔から雑誌作例だと、この手のキットは皆スジボリは彫り直されてきたものだ。
機種によっては、新金型で凹線スジボリのキットが売ってるので、彫り直す手間を考えたら、高くても凹線のキットを組んだ方が手間がかからないと思う。
このタイプのキットの特徴は、物によるが凹線キットと比べて、価格が安い、部品数が少ないということだ。
その分、精密さにかけ、特にハセガワのキットは50年、60年のロングセラーと相俟って、金型がダレた飛行機の形をしたプラ板だ。
ならばスジボリを否定した作り方もありじゃないかと思い、彫り直すのではなく、消してしまうのも一興かと思うのだ。
なんで、そんなこと考えたかというと、昨近のガンプラRGに毒された、スジボリ一杯、コーション一杯、不自然な塗り分け一杯の作例に辟易してるからだ。
金出して買った自分のプラモだ。好きに作ればいい。
しかしだ。好きでやってる人はともかく、なんとなくというか、みんながやってるから俺もやらなきゃみたいな感覚で、はっきりした目的がなくやってる人が多いのも事実。
そのためコーションやスジボリの意味を理解せずに、無闇矢鱈に情報量だけ増やしていくものだから、説得力がなく、料理で言うと味見せずに色んな調味料をボカスカぶち込んでとんでもない味付けにしてしまっているのだ。
隠し味としてスジボリ足したはずが、スジボリ彫った達成感だけ味わうようになってしまっては本末転倒だと思うわけだ。
濃い味付けに慣れすぎて舌がバカになった状態だと思うのだ。
飛行機模型のスジボリも人それぞれだ。はっきりした自分の好みでやっている人の作品は、理由がはっきりしてるので説得力がある。
きっちりと黒線が入っているのが好きな人、間近で見ない限りパネルラインなど見えやしないとスミ入れしない人、その中間でスミ入れはするが自己主張しすぎないように薄い色で入れる人など様々だ。
ただそういう人はパネルラインの意味を理解して、模型表現の一部として使っているが、どうもキャラものだと、変にリアルを勘違いした方向に行っているように思えてしまうのよ。
実はガンプラのRG(リアルグレード)は一番リアルと程遠い商品だし、MGやHGUC見ればバンダイがスジボリやコーションマークに否定的なのが見て取れるのだ。
というのが、スジボリ彫り直すのが面倒だからやらないぞという、長い言い訳だ。
全部をやるかどうかは別にして上記のキットからスジボリ消して作ってみようかと。
ただ私自身も毒されているので、やはり飛行機のプラモはパネルラインのスジボリが入ってないと違和感を感じるのも事実なので、やっぱりパネルラインがなきゃ駄目だとなるかもしれない。
逆にすっきりしていいじゃんとなるかもしれない。
まあ、最初に書いたが、彫り直すくらいなら凹線スジボリのキット組めばいいので、凸線スジボリのキットは無理に彫る必要もないのだ。
自分の好きなように作ればいいので、スジボリ入れるもコーション貼るのも自由。
人の意見など気にせず好きに作ればいい。
ただその結果見た人がどんな感想持つかも自由なのだ。
何が言いたいかと言うと、変に右へ倣えで、スジボリ入れたり、コーション貼るのがリアルだと勘違いせずに、自分の好きなようにやればいいということだ。他人に合わせる必要はない。合わせたいなら合わせればいいし、合わせたくないなら違うことをすればいいのだ。
ただ、明確な目的がないと、なじゃこりゃってなるのも事実だよ。