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DVDパッケージキャッチコピー

「あなたが欲しくて 体が疼く…」

「美しく無垢な仮面で男を追いつめていく」

17世紀末に実際に起こった“魔女狩り事件”を基に、ウィノナ・ライダーが魔性の女を演じる衝撃の官能サスペンス」



発売 20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン

邦題 クルーシブル

原題 THE CRUCIBLE

出演 ダニエル・デイ・ルイス(大塚明夫)

    ウィノナ・ライダー(岡本麻弥)

    ジョーン・アレン(佐藤しのぶ)

    ブルース・デイビソン(有本欽隆)

    ポール・スコフィールド(大木民夫)

監督 ニコラス・ハイトナー

製作 1996年アメリカ

時間 124分

枚数 1枚

音声 英語(5.1chサラウンド)・日本語(ステレオ)・音声解説

映像特典 無

過去の視聴回数 無

DVD視聴回数 1回(日本語)

DVD仕様 トールケース・ピクチャーディスク




感想


一言で言うと、「宗教は恐ろしい」ということだろう。

キリスト教が絶対的な権威を持っていた時代、人は「神の名の下に」人を「悪魔」だ「魔女」だと決めつけ、平気で人が人を殺していた時代の恐怖を描いた作品。


ジョン・プロクター(ダニエル・デイ・ルイス)は下女のアビゲイル(ウィノナ・ライダー)と不倫関係にあった。夫の不貞に気づいた、ジョンの妻エリザベス(ジョーン・アレン)はアビゲイルを追い出してしまう。アビゲイルはエリザベスに復讐するために、同世代の少女たちを扇動して、エリザベスを魔女に仕立て上げる。こうして始まったエリザベスの魔女裁判は町全体を巻き込んだ大きな物へと発展していく。


映画は17世紀にマサチューセッツ州セイラムで実際に起こった魔女狩り事件をベースに、1950年代にアメリカを席巻した「赤狩り事件」などの集団ヒステリー現象に警鐘を鳴らすべく原作が書かれたそうだ。

映画の中でも単にエリザベスが魔女か否かに留まらず、町の住人たちの利権問題も絡んできて、密告が密告を呼び、罪も無い人々が死刑にされていくという救いの無い内容だ。土地を奪いたいがために、他者を「魔女だ」「異教徒」だと密告して死刑にしていく様は、密告者した者や、権威を守るために平気でひとを殺す教会側が悪魔に見えるという皮肉な内容だ。


日本で言えば「八百屋お七」みたいなものか。本人は軽い気持ちであったが、それが大事になってしまうという。アビゲイルも単純にジョンを自分のものにしたかっただけなのだ。事の重大さに恐れ慄いたアビゲイルはジョンを連れて逃げようとするが、ジョンに拒否されてしまい、一人で姿をくらます。その結果、どうにも事態の収拾が付けられなくなった教会は、「悪魔と契約したと嘘の告白をすれば命を助けてやる」とジョンに迫る。生きるために一度は嘘の告白をしたジョンではあるが、最後は自分の名誉を守って絞首台にかけられてしまう。

結局の所、いもしない悪魔の証明という頭の悪い教会の虐殺行為を風刺した映画といえるだろう。

教会の権威のために、また自らの保身のため(無実の者を死刑にした罪を隠蔽するために)平気で人を殺していく教会のやり方が腹立たしく感じる映画だ。


「お前らこそが悪魔だろう!」と教会側の人間を機関銃で蜂の巣にしてやりたくなる映画だ。

神を信じることを否定はしない。だが神を信じない者、神を否定する者を「悪」だと決める行動こそが悪魔の所業だと思う。