ちょっと今日は作業を中断して関節の考察を。


関節の作り直しや改造といった工作は、闇雲におこなっても意味がないので、目的やビジョンが必要だ。あとはその時の問題点に対する、柔軟な発想や発想の転換や応用があれば大体何とかなるものだ。


例えばバイファムの肘関節だが、この部分での長さの延長と可動範囲の拡大が目的だ。



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キットのままだと、赤く囲った部分で干渉してこれ以上曲がらない。


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で、加工としたのが左腕だ。キットの軸位置よりも下側に穴を開けてそこが支点なるように関節をずらす。可動部が下側にずれたので、当然腕が長くなった。


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そして同時に可動の支点がずれたことで干渉がなくなり、深く曲がるようになった。

このように上手く行けば、「軸位置をずらす」といった単純なことで「可動範囲が拡がる」「腕が延長される」といった、一石二鳥の成果がでることもあるのだ。



次は足の関節だ。


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キットの可動軸を利用してポリキャップを仕込んだのが、現在の状態だ。

上側のPCの挿した軸が長いのは、引き出し式の関節にして可動範囲の拡大ができればと思ったからだ。


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そのまま動かした場合はこんな角度だ。


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軸を引き出して脛と足首の干渉を減らすことでここまで曲げることが可能だ。

もちらんこれは説明のために大雑把にやっているので、実際にはデザインを崩さない範囲での可動となるので、ここまで曲げることはないだろう。


ただ私が足首の関節に求めたいのは前後のスイングではなく、横スイングの方なのだ。足首と脛と二箇所でのスイングが可能なので、デザイン的な限界を考えれば、引き出し式にしなくても前後スイングは十分な可動域が確保できると思う。



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で、横スイング、所謂可動軸の左右の傾きだが、見ての通りほとんど曲がらない。

この左右のスイングで脚を拡げて踏ん張るポーズの大きさが決まるので、可能な限り可動範囲を大きく取りたいのだ。


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キットの元のPCの位置がさして高くない上に、軸の上部で延長したせいで、余計に可動部が下がってしまったことがあまり傾かない原因だ。


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解消方法としては赤く塗った部分を切除する方法。ただし形が崩れる可能性も出てくる。


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次に形を崩さない方法として、PCの設置位置を上の方にずらすといった方法だ。


そして、ここからが「発想の転換」ということになる。

引き出し式の関節を必要としないなら、脛側でも左右のスイングができるようにしてしまえばいいのだ。


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脛側の軸位置がやや後ろにオフセットされてセンターにないので、ランナーから写真のような「L字形」のパーツを切り出して接続してやる。この形ならば、前後スイングも左右の横スイングのどちらも脛と足首の二箇所でできる。


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これも説明のために大げさにやっているが、このように傾きを大きくすることが可能だということだ。


あとはデザインと相談しながら、PCの位置や切除する分量を決めてやればOKだ。


このような試行錯誤で目的に沿った改造方法を見つけていけばいい。

一度に全部やろうとしても無理が出るので、できることから一つずつクリアしていけば、最後は全部クリアできるはずだ。


終わってみれば、何のことはない以前スコープドッグの足首関節として考案した方法と同じになってしまった。


http://ameblo.jp/mdsf-x1/entry-11077954839.html


80年代の大河原ロボットはこの関節機構がベストということなのかもしれない。


更に言うと、この関節はガンプラのHGキットの足首関節の応用発展型でしかない。

まずは最新キットの関節機構が適用できそうなら、それを真似ることから始めたほうが失敗が少ないだろう。