アザシチジンはMDSがあまり進行していない時期に投与しても良い結果は得られません。芽球が増え、血球減少が進行した進行期のMDSで効果が期待できる薬です。使用するにあたっては副作用に精通する必要があります。またMDSでは、先述したような免疫学的疾患をはじめいろいろな合併症が起こり得ます。アザシチジンの副作用とMDS自体が引き起こした合併症を見分ける必要があります。また血球減少による症状や感染症に対する治療も、しばしば生死を分ける重要なものです。さらにアザシチンの効果がなくなってきた場合のその後の治療が最も重要となります。
MDSは病態が極めて多様で、百人の患者さんがいても同一の経過をとる方は極めて稀です。MDSの治療には、個々の病態を見極め、それに適した治療を選択するというMDSに対する深い理解と経験が必要です。