1983年頃は、不治の病であった白血病の治療法の標準化が進められた時期であり、この白血病治療の黎明期に病棟医、その後病棟医長として直接多くの白血病の方の治療を行ったことも私にとって大変幸運なことでした。
今とは違って抗微生物剤の数も少なく、治療を成功させるには小さな変化を適切に読み取り、それに対処する必要がありました。この経験によって、私の白血病治療の技術は格段に高まり、多くの急性白血病患者を寛解に導き、治癒した方も多くいらっしゃいます。
一方で、骨髄異形成症候群に急性白血病の治療を行っても、よい結果は得られませんでした。
これが私が骨髄異形成症候群の研究に力を傾ける大きなきっかけになりました。