その2

***********************

ブログ内で返信していただかなくても結構です。あなた様がご自身のお書きになった内容を吟味して、誤りに気づかれて削除または修正いただければよいと思います。私はあなた様を晒し者にするつもりは毛頭ございません。

私自身は移植医療についてかなり保守的です。
60歳を超える年代においては、併存症がなく、前処置をRISTにしたとしてもかなり慎重な判断が求められると思いますし、移植をしなければより長い生存が得られたであろう症例があることも当然存じております

逆に、MDSで診断早期に移植をして、無再発、GVHDなしで長期生存されている方も周りに大勢いらっしゃいます。


その上で、僭越ながらあなた様の記事の不適切さを説明させていただきます。

件の文献は原著論文の内容すべてに目を通していますが、MDSは移植をしてもsupportive careの予後と変わらないので移植をするべきではないという内容のものでは一切ありません。

この検討は各群、別のレジストリーに登録された患者の予後を比較したものであります。患者は55-69歳で、RAEBまたは-tの患者さんのみが対象となっております。(前回のコメントでもお伝えいたしました。)

JSHCTがwebに載せているMDSの移植ガイドラインにおいても、
>本人・同胞間の HLA typing 検査は 55 歳未満の患者には~推奨されるが、50 歳代後半の患者においては個別の検討が必要
http://www.jshct.com/guideline/pdf/2009MDS.pdf
とされており、55-69歳までの移植症例の成績が劣るのは当然のことです。

さらに言えば、そもそも現在の分類ではRAEB-tは白血病に分類されており、non CRの白血病に対する移植がかなりの例数含まれているということを考えれば5年OSが20%程度であるということも当然です。

これが現状に即した結果なのか?という点についてですが、国内においてはmatched related donorからの骨髄移植の成績は5年OSでほぼ50%であることがJSHCTより報告されており、生存率だけ単純に比較しても前述の報告とは大きな乖離があります。
当然5-AZAや支持療法の進歩によって、支持療法群の生存曲線も改善していますが、これらの治療法の改善は移植群の予後改善にも寄与しています(5-AZA→HSCT、除鉄による移植後合併症発症割合の低減)。

翻って50歳または55歳以下の年代においては、併存症がなく、blast割合が経時的に明らかに増えてきており、かつ輸血依存もありcytogenetic riskを伴うような方については移植は絶対的な適応と国内外のいずれの施設においても理解されております。

以前お書きになっている記事の中に、原著論文の情報は記載してありますか?どのような年齢層に対して行ったものなのか、レジストリーの登録期間はいつからいつまでなのか、病型はどうなのか、記載はありますか?

現在の情報だけでは、素人が見たら現在の診断基準におけるハイリスクMDS全患者において輸血と移植の成績は同じと受け取られかねない情報しか載せられていません。

どうかお願いですからこのような不適切な引用は控えていただきたく思います。ご自身の予後やGVHDのリスクを正しく理解して勇気を持って同種移植の選択をした人に対して大変失礼で、誤解を生む内容です。

ここまで丁寧に書けば
>高リスクで同種移植実施可能と判断された元気な人と、移植ができないと判断されて支持療法しかありませんと言われた人の生存率、これを比較すると全く一緒なのです
という記載は不適切と理解していただけるのでは思いますが、ハイリスクMDSに対する治療としていかなる場合も移植が不適切(supportive careのみと成績が変わらない)とおっしゃるのであれば論理的な話し合いをするレベルに知的水準が達していないと推察されます。
適切なレベルから語学力など学習なさってからでないと理解が追いつかないでしょうから、現時点でこちらからこれ以上コメントとしてお伝えいたしません。このような内容の記事で振り回される患者さんがいらっしゃるのは本当に心苦しい限りではありますが・・・


いずれにいたしましても、適切でない情報に振り回される不幸な患者さんが一人でも減ること、これだけが私の切なる願いであります。

 

***********************

みなさん、どう思います????

移植医でしょうか?なりすましでしょうか?

いずれにせよ、名乗り出ていただければ、幸いです。