転生したら読書家になった件(21)金閣寺 の感想 | バイクとCAFEと

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「金閣寺」を読みました




これまで何度か読んで
途中で挫折していたのですが
今回は入ってきました



すごかった

いつも気になったところに付箋を貼りながら読んでますが前2/3、付箋だらけ😅

捨てる所がなかった



感想
うまく、まとめられるか自信ありませんが頑張ります(^-^;





この小説を
一言で言うとしたら…

「美と人生。 ここにはまだ存在しない予兆こそ美であり、人生は今ここで行う具体的行為」
みたいな感じでしょうか

しらんけど😁






ここから
細かく感想を書きます

見たくない方はスルーしてください😉













この話の好きな所をあげると

・天才的な表現
・柏木という悪友の強烈なキャラ
・主人公の動機を探るうちに人生について考えされられる

ってとこでしょうか





話は
実際にあった金閣寺放火事件を元に

コンプレックスに悩む坊主の息子が
金閣寺の美しさに取り憑かれて
やがて放火にいたるまでの経緯を、
告白していく形ですすむんですがー



主人公は度々「人生」と「美」について語るんです

主人公にとって「人生」とは、生まれつきもつ吃音と醜さによって、その扉を閉ざしうまくいかないものであり、「美」は金閣寺


最初
そんな人生と金閣の謎の葛藤の話かと思ってました。
半分狂っているファンタジーみたいな。
女性の乳房が金閣になった時は笑ってしまった。どゆこと!?

金閣寺が美しすぎて主人公を支配、人生の大事な場面で脳裏に浮かび人生を邪魔する
そんな金閣寺焼くことによって人生を生きる
そういう事かと。

でもそれでは人生がめちゃくちゃになっちゃってるし、
そもそも事件をおこすまでも人生をめちゃくちゃにしてしまうような悪の衝動をおさえられずにいるんです。
しかも何故かそんな時こそ主人公は快活になる

悪の衝動の多くは金閣寺の老師に対するもの
もっとうまくやれば、愛する金閣寺を継ぐことだって夢ではなかった、
なぜ?
老師は父?社会か?
そんな概念的な話か?

そういえば老師と本当の父との対比があった
老師と父は同輩
でも桃のような肌のふくよかな老師と、貧しい寺に勤め病におかされ、痩せ細った父

父は金閣寺の美しさについて教えてくれた張本人だこの違いから老師を妬んでいたのかも

そして息子が金閣寺を継ぐことを希望していた母、母は父を裏切った人間
その母への反抗もあるかも

母が行っていた不貞、そこから性に対して前にすすめない呪縛が生まれたというのも考えられる🤔


でも閃く
これモラトリアムか?

金閣の美は、ここには存在しない美の予兆だと語っていた。
そしてこの「美」は「人生」から私を護っていたとも

これはモラトリアムだ
何かが始まる前、例えば休日は休日の前日が嬉しかったりする。
まだ始まっていない、いい予感だけの休日前夜

人生だってそう
始まる前、何者にもなっていない自分の描く、予感する人生は美しい。何にでもなれる
でも始まってしまうと、それは無秩序で地味な作業があったり恥をかいたり、報われなかったり。

だから僕らの多くは意味もなく大学へ行ったり、フリーターになったり、バンドを組んだりする。
その間は美しい夢を見られるから

そんな猶予期間の象徴が金閣寺なのかもしれない

金閣寺は、主人公が人生を歩もうとする度に脳裏に浮かんで邪魔をする。
それは主人公が人生を怖がっていたからでは?
悪の衝動にかられて、金閣の老師の金を使ったり、嫌われると分かってるような事をしたのは、金閣寺を継ぐなんて「人生」に踏み出したくなかったのでは?
そんな風に予想できる。坊主になんかなりたくないのかもしれない





予感のうちは美しい
でも消しさらなければ
泥臭い世界へ駆け出さなければ人生を前へは進めない

この話は
そんな事を暗示しているのかもしれないと思った。



そして、主人公のまわりにいる人物
その人たちも美と人生とに分ける事が出来る。

友人のなかでも特に中の良かった鶴川と柏木
明るい性格の鶴川は歪んだ性格の主人公を、その優しさで包んでくれた、彼は明るい未來を予感させてくれる「美」であろう
対して柏木、この悪友は裏側から人生にのめり込む術を教えてくれる。
気になる娘の前でわざと転んで怪我をして、気を引こうとしたり、困っている友人に月一割の利子とって金を貸したり
強引に生きてるかれは「人生」といえる

初恋の相手ウイコはもう死んでしまって、その魅力は幻になって存在しないが故に美化される「美」
主人公が遊郭で女性を買うけど、こんなものかと思う。思い出せない場所ではもっとはげしい思いをしたような気がする。
これはやっぱりやってみると想像より地味だった「人生」なんでしょう

そして
金閣寺の美しさを言葉で教えてくれた父は「美」
金閣寺の老師に気に入られて跡を継ぎなさいという母は「人生」

この主人公の身近な人たちの、「美」の方の人たちはみんな死んでしまっているというのも何かの暗示に思える

海辺で火葬した父
撃たれて血を流した初恋の人
突然、遠い地で亡くなってしまった友



主人公の
不遇であり運命的なの人生を考えてみると
「金閣を焼かねばならぬ」そう思う気持ちも分かる気がしました




長くなっちゃいましたがあと少し(^-^;

天才的な表現もいくつか紹介したい




例えば…
主人公のどもりが原因で他人とうまくコミュニケーションがとれない思いを綴った文章
「私が手間をかけてやっと外界に達してみても、いつもそこには、瞬間に変色し、ずれてしまった鮮度の落ちた現実、半ば腐臭を放つ現実が、横たわっているばかりであった。」

そのもどかしさ、ガッカリ感


初恋の女性を想い
「折に触れて考えていたことが、だんだん固着して、あたかもそういう思念の塊のように、有為子の体は、白い、弾力のある、ほの暗い影にひたされた、匂いのある一つの肉の形で凝結して来たのである…」

若くてまだ得たいの知れない肉欲



そんな彼女に何も言えないさま
「彼女はおそらく、暗闇のなかに、無意味にうごめいている、つまらない暗い小さな穴、野の小動物の巣のような汚れた不恰好な小さな穴、すなわち、私の口だけを見ていた。そして、そこから、外界へ結び付く力が何一つ出てこないのを確かめて安心したのだ」

彼女の冷たい目と、自分の惨めさを強く感じる




京都が空襲に襲われることを夢見て
「人間も物質も、醜いものも美しいものも、おしなべて同一の条件下に押しつぶしてしまう巨大な天の圧搾機のようなものを夢見ていた。ともすると早春の空のただならぬ煌めきは、地上をおおうほど巨大な斧の、涼しい刃の光のように思われた。私はただその落下を待った。…」

巨大な力
やはり人生が怖かった?
戦争中は人生を考えなくてすんだ




柏木という人物に出会って
「柏木が暗示し、私の前に即座に演じてみせた人生では、生きることと破滅することが同じ意味をしか持っていなかった。その人生には自然さも欠けていれば、金閣のような構造の美しさも欠けており、いわば痛ましい痙攣の一種に他ならなかった。」
「まず棘だらけな生の破片で手を血みどろにせねばならぬことは恐ろしいかった」

生々しい人生の恐怖



「柏木は裏側から人生に達する暗い抜け道をはじめて教えてくれた友… それは前進し、獲得し、推移し、喪失することができた。生のあらゆる機能はそれに備わっていた」


読んでいると
僕の肉体に何かが触れて、匂って味がして、カーッ!ってなる😅意味不明?
でもそんな表現

途中ちょっと大げさでは?と思いそうで、何故か思わない。
普通こんなに例えすぎたら嘘臭くなりそうだけど、ならない
天才的な表現だと思いましたよ~
そんなんが前半ずーっと


後半は
ちょっと僕では理解できてない所もちょこちょこあったので、また将来読んで理解できるか試したくなりました


いやー
すごかった爆笑


舞台の金閣寺にも
昔行った舞鶴の金剛院にも行きたくなりました




以上
長くなっちゃいましたが


「金閣寺」の感想…

いや考察?
見当違いな考察だったかも😅

ですが


読んでいただいて
ありがとうございました!







ではでは✋