転生したら読書家になった件⑮そして誰もいなくなった の感想 | バイクとCAFEと

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「そして誰もいなくなった」を読みました




この1939年に
アガサ・クリスティによって書かれた推理小説

おもしろかったです😄

エンタメとして楽しめたって感じですかねー
そして読みやすい



まあ
これどこかで聞いたような話だなー
とも思ったりしちゃいますが、でもそれは逆。

閉ざされた空間で殺人が行われて、他に誰もいない。犯人はこの中にいる!
という、コナンとか金田一でよく見たパターンの元になっているのがこの作品だったりするみたいなんです。
(元祖は「ルパン逮捕される」ってやつみたいですが)


これをクローズドサークルと言って
いったい誰が犯人なんだ!?次は誰が殺されるんだ!?みんないたのにどうやったんだ!?みたいな緊張感がたまらんのですよね



そしてまたうまいのが
十人の兵隊さんという詩をなぞりながら、十人の殺人が行われる所


これがまたドラマチックにしてくれました。





ここから
細かく感想書きます
推理小説なんで、あまり踏み込まないようにしますが、見たくない方はスルーしてください😆









話は
電車でどこかに向かってる老紳士のシーンから始まります。
どうも手紙をもらって兵隊島という島に招待されたよう。

そしてすぐに次は女性教師
この人は職業紹介所を介して、休みの間だけ島での秘書として雇われ電車で向かっている
でも過去に何かトラブルがあって心に闇を抱えているみたい


こんな感じで
一人一人と登場していきます

島にいくのは十人なんで、最初は誰が誰だかこんがらがりますけど、それぞれが個性的なんで分かりやすくなっていました


慎重に運転して車で向かう医者とか、それを乱暴な運転で抜き去る若者なんかです。



そして多くが何か心に抱えていて、
ずっとみんなに変な目でみられてる気がする将軍とか、(何か罪の意識がある人はそうなるのかもしれませんね。うわさ話が全部自分のことに思えたり)
あの時は危なかった、あれ以来酒はやめたんだという医者もいたり。




こんな風に個性的な登場人物は
分かりやすさもあるけど、物語の面白さにも繋がったんだと思います


あとこの小説
劇を観てるような雰囲気もありました。

金田一少年の事件簿をみたことあるかたなら分かるかな~
あの雰囲気というか演出というか

例えば
ブロアという元警官は、一緒に乗り合わせた老人にこういわれるんです
「嵐がくるな」

で言い返す
「いや、まさか。いい天気だ」
老人は気を悪くして
「おれにゃあ、においでわかるんだよ!」

「そうだな、そうかもしれない」
とたしなめる

で去り際に老人から言われるんです
「気をつけるこった。神に祈れ。審判の日は近いぞ…」


なにー?!😱
何がおこんのー!?ってなりました😁


こういう演出の最たるものが十人の兵隊さんの詩ですかねー

島の屋敷の各部屋に詩が飾られてあって
「小さな兵隊さんが十人、ご飯を食べにいったら一人がのどをつまらせて、残りは九人」

「小さな兵隊さんが九人、夜ふかししたら、一人が寝坊して、残りは八人」

こんな感じで兵隊さん減っていって最後
「小さな兵隊さんが一人、あとに残されたら、自分で首をくくって、そして誰もいなくなった」
で終わるんです

こわー!😱
この小説のタイトルここからかー!
こわー!ってなりました😁


しかも
人が殺される度に
置いてあった十人の兵隊の置物が1つ、また1つと減っていくんです


なんのためにー!😱


このへんの演出は
次はどう殺されるのかのヒントとして僕の推理欲を刺激しました。

推理欲といえば
読者には、登場人物の考えてることが分かるから、この人はこう考えてたから、犯人ではないのかーとか、考える楽しみもありました




他にも
みんな食事がすんで、美味しい珈琲を飲んで寛いでいたら、突然人間の声とは思えない声で
「淑女、ならびに紳士のみなさん!お静かに!」って響くんです

で声は
「アームストロング、1925年3月14日にルイーザ・メアリ・クリースを死に至らしめたのは、あなただ。」
「エミリー… ビアトリス・テイラーを死に追いやったのはあなただ。」

って一人一人の過去の罪を叫び立てるんです






みんなそのあと
そんな事やってない
殺してなんかないって言うんですけど、心の中では何かが蠢いてる。

まあ中には開き直って、やったけど俺は悪くないとか言ってる人間もいたり


まあでも
こんな島は早く出ようって話をして、

そしたら一人

えーそれじゃあつまらんなー スリルを味わいましょうよ~とかニヤニヤ笑って
(↑こういう人コナンとかにもいますよね)


ぼくは犯罪、大賛成、犯罪に乾杯!って
酒をいっきに飲み干すんです


あわてて飲んだからか
めっちゃむせて、苦しそうになって顔が紫色になってグラスをゴトンって

あれ?

医者が見に行ったら
死んでる!!Σ( ̄□ ̄;)


まあ今で言えば
明らかに死亡フラグたっちゃってましたけどね😁




ここから
一人、また一人って死んでいって

それに伴って、置いてあった兵隊の置物が1つまた1つとなくなっていくって演出もあったりして。


人数が減っていくにつれて
皆が疑心暗鬼になって、お前だろ!俺じゃない!あいつが怪しい!って言い争いがあったり。

余裕だった人間も声をあらげたり、

頭がおかしくなったような人もいたり。


ついには過去の自分の罪を告白したりする。

その罪から解放されると、喜んでいたりする人とか、その殺してしまった人間が来たと妄想する人も

お! 犯人の目的は実はその辺か?
とおもって読み進めたんですけど、

終盤
え!?

じゃあ、あれ?!犯人は!?


え!?




ってなって

後に
別の形で真相がわかるっていう


なんかオシャレ~

これ100年ちかく前の作品とは思えん!

っていう
素晴らしい最後でした




有名な赤川次郎さんは
未だに一番好きな作家と作品は
アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」と答えるそうですよ



それが
よく分かった作品でした




以上!

長々
ありがとうございました




ではでは