タケコプターみたいな頭と斬新なダウンみたいなもこもこ感
水が滴ってる様な素材
もう凡人には分からないけどなんかスゴい
💩
チューブ状のパーツで作られたドレスは、まるで白い石膏(せっこう)で固められたかのようなフォルムを作る。斜めにカーブしたドレープドレスも時を止めたかのように固まっている。コムデギャルソンはこの春夏も服の概念を抽象化した先にある「かつて服であったであろう何か」を提起している。それは袖もなければ襟の位置もよく分からない。ドレスと呼んでいいのかさえ分からない抽象化されたオブジェのような存在だ。かつてマーメイドドレスであったかもしれない白いドレスは、まるでパンケーキがくっついたかのようないびつな凹凸を生み出し、その意味を観客に問いかける。
それは服の〝外側〟にあるものとして、数年来、川久保玲が提起してきたデザインの延長線上にあるものだ。しかし、14年のデザインでも17年のものでもなく、今を感じさせるもの。すっぽりと頭から顔を隠したケープのようなアイテム、その隙間からモデルの射るような視線を感じる。それは何かをまっすぐに見つめる姿勢。
「ROSES & BLOOD(薔薇と血)」のコレクションで見せたような血が飛び散ったような柄も、抽象化されたフォルムの中で白いチュールに覆われる。難民キャンプの写真をプリントしたかのような柄や数々の政治的なメッセージを描いた柄が、白いチュールに覆われながら新たな行き先を探している。
混沌(こんとん)とした世界における救いようのない事実、それを目の当たりにしてファッションデザインのできることは限りなく小さい。政治的なメッセージを強調するあまりに、ただのプロパガンダに陥りファッションデザインとしては陳腐な表現になってしまうことさえある。しかし、川久保玲は自分の描くべきデザインの在り方と現代社会に対する淀みのない視線をあえて共存させようとした。
血塗られた服の先にある、すべてを包み込むような白く透明な世界。ふわふわとした白いフォルムの造形服に込められた希望。それは芸術性に閉じこもった世界ではなく、現代社会に対するメッセージをはらんだもの。そこに、川久保の未来に対するポジティブな姿勢を感じることができた。
スゴい解釈…











