ドリス・ヴァン・ノッテンの最後のランウェイ
この1stルックに込めた想いは想像すら出来ない
ちょっと時を超えた白髪のモデルがいい感じ
ダブルブレストのジャケットの衿を閉じて
シアーなオーガンジーパンツ
大きく開いたタンクトップにはオーガンジーT
シアーなステンカラーコート
コートの上から透明ビニールで包んだようなコート
片方だけ衿閉じたゆるダブルブレストジャケット
巨大なバッグな新鮮だけど使いにくそう
ベルデッドのチュニックパーカー?
ブルーのオーガンジーパンツ
ランウェイと同化したシルバーメタリックスーツ
濡れたような光沢を放つピンクのサテンコート
ピンクのトレンチコートもシアー素材
ビッグシルエットダブルジャケットの上にシアーT
ピンクのシャギーコートもどこかカジュアル
ブルーのシアーTにピンクのシアーブルゾン
ドリスらしい大柄と大柄のコーデ
シアーと言うより透明ブルゾン
生地端に色付けしたジャケット
ビカビカに光るジャケット
ドリス様の最後のコレクションは129回を振り返るコレクションではなく
今の時代を象徴するかのシアーな透け透けコレクション
最後まで今のファッションにこだわったドリスがステキ
何度かお会いした事があるが、中途半端な事が嫌いで徹底的にやるイメージ
ファッションに対しても真摯に取り組んでいるのが伝わる様な
ドリスは今年で66歳
まあ日本で言えば定年
僕もそろそろ定年で現役引退も考える61歳
ドリスみたいに最後までファッションをこなす現役で
老害と言われずに必要とされるからお仕事引き受けて
でも、そろそろ身を引いて横から愛するファッション眺める事も考えなきゃな…
ドリス・ヴァン・ノッテンの自身による最後のコレクションの招待状には、シルバーを背景にLOVEの文字が書いてある。それを見ただけで、何か胸にこみあげるものがある。ショー会場は、パリ郊外の治安の良くないエリア。なぜここなのかと思いながら現地に着くと、大きな倉庫に鮮やかなグラフィティーが描かれている。どことなくアントワープを思い出させる雰囲気に納得させられる。
入り口には定刻前からたくさんの人が行列を作った。その中には、アントワープシックスと呼ばれるドリスの同級生たちの顔もちらほら。ドリスが一線を退くと、アントワープシックスで現役なのはウォルター・ヴァン・ベイレンドンクだけとなる。
会場に入ると、壁には過去のショーの映像が次々と映し出されている。思い出とともにセンチメンタルな気持ちがあふれてくる。30年以上にわたり、パリ・ファッションウィークの主役の一人であり続けた。しかも数年前までは、どこのグループにも属さずにインディペンデントな経営を続けてきた。そんなドリスの本人による最後のコレクションだ。
銀箔(ぎんぱく)が揺れるランウェーに登場するのは、シックなカラーのテーラードスタイル。コートにジャケット、そこにオーガンディのような透け感のあるアイテムを組み合わせていく。タンクトップに重ねたオーガンディトップ、テーラードジャケットにパイソンのインナーとオーガンディパンツを合わせたスタイルもある。襟を立てたテーラードジャケットや黒にゴールドの刺繍のジャケットなど、過去のアーカイブを思い出させるアイテムも登場する。PVC(ポリ塩化ビニル)のような風合いの透けるブルゾンやコートはイエローやピンク。ロマンティックな色と素材を組み合わせたスタイルが揃う。
マットな素材のクラシックスタイルと鮮やかなシアー素材のコントラストが、春夏の軸となる。そこに日本の墨流しと呼ばれるマーブリングの花柄をのせたアイテムを加えていく。ただ、センチメンタルな雰囲気もあったショーの前に比べると、ショー自体は意外とあっさりしているように感じた。もう終わりなのかという、あっけない気持ちになる。それは、一線は退くけれども、まだグランドフィナーレではないというドリスの思いがあるからなのかもしれない。ショー終了後、ドリスからメッセージが届いた。
〈ドリスからのメッセージ〉
FOR YOU, FROM DRIES
これは私の129回目のショーであり、これまでのショーと同じく未来を見据えています。
今夜はいろいろなことがありますが、グランドフィナーレではありません。
私は、かつてマルチェロ・マストロヤンニが、プルーストが想像した失われた楽園のその先にある、逆説的な「未来へのノスタルジー」について語ったこと、そしていつか愛情をもって振り返ることができると知っていながら、私たちが夢を追い求め続けることについて考えます。
私は自分の仕事を愛し、ファッションショーをすることを愛し、ファッションを人々と分かち合うことを愛している。クリエイションとは、生き続ける何かを残すことです。
この瞬間の私の感覚は私だけのものではなく、いつも、いつまでも、私たちのものなのです。