メンズらしくないくびれたウエストにキュッとカーブを描いたパンツに
乳首の下までコルセット
帽子のような髪型にシアーなレースで肌見せながら
ウエストきゅっと身体にそわした妖艶なドレス
昔のキャバレーみたいな雰囲気のシアーなドレス
キャバリーツイルのステンカラーコートの裏にはブリティッシュチェック
最近よく見かけれる簾みたいなそうめんのスカート
ほぼシアーにコルセットしてウエストぎゅっと絞ったドレス
黒光りさせた肌にAMFの表を最大限に出した白ステッチのトレンチコート
顔は白光り、靴は黒光り
鱗のような編み編みスカートにピンクのタビシューズ
素材もシルエットもタイツもこれぞオートクチュールみたいな
バッグもグローブもスゴい手の込んだこだわり
頭のてっぺんからつま先までってホントにこの通り
ブリティッシュな素材をパンクにモードに換える
まるでヴィヴィアンが蘇ったみたいに
段ボールのような素材にビニテで巻かれたバッグ
水彩画のような美しいドレス
ヘリンボーンコートで突然マニッシュに
かと思えばエロスとアートの狭間みたいな
ウールストライプのスーツは裾が黒光りするレザーに
超ハイウエストパンツに獣のタビブーツ
ウエストがビックリする程細いコート
ウエストビックリする程細いスーツ
いきなり清楚なロンスト生地
白部分がなくなるまで詰めたウエストのドレス
シアー素材が透けなくなるまでに重なったフレアースカート
さすがはジョン・ガリアーノのクリエイティブとマルジェラチームの技術力
めちゃくちゃレベルも高くて完成度も高い
素晴らしいコレクション…
メゾン・マルジェラは久しぶりのアーティザナルコレクションを見せた。雨に煙るセーヌ河畔の空間を生かして映画のようにドラマチックな演出で見せる。それは、ボディーへの意識を感じさせるコレクション。モデルたちは男性も女性もほとんどが、ぎゅっとコルセットでウエストを締め付けられている。コルセットにワイドパンツの男性モデルやコルセットにチュールドレスをかぶせた女性モデル、コルセットから流れるようにドレープを描くストリングススカートのスタイルもある。
コルセットというクラシックな表現を現代のワードローブの中に取り入れる意図はいま一つ理解できないのだが、その圧倒的なボディーに対する表現力に息をのむ。絞られたウエストに反して、デフォルメされたように巨大なヒップを描くドレスが圧巻の迫力となる。コルセットをしている男性モデルが着るヘリンボーンコートも大きなラペルから豊かな分量を描く。雨粒がストライプ柄にアクセントを作るテーラードジャケット、カットアウトディテールのマーメイドスカート、いずれもウエストシェイプとのコントラストで見せる。
生地のビンテージ感などにマルジェラらしさはあるのだが、そのフォルムとクラシックへの造詣(ぞうけい)は明らかにジョン・ガリアーノによるもの。ただ、このブランドの場合、オートクチュールは顧客との対話で生まれるものというよりは、ブランド全体のクリエイションのひな型=核といった位置づけであろう。このコルセットスタイルがどのようにプレタポルテのラインへと展開されていくのかに期待したい。