人は死ぬ。

いつかは皆死ぬのだけれど、ここでは人は簡単に死ぬ。

日本などの医療技術が進んでいるところでは、人は簡単には死ねないように思う。
具合が悪くなれば、医者にかかり、治療が行われる。
通院や入院、手術などが施され、意識がなくとも体に穴を開け、
管や機器を通して生きながらえることができる。

ここモザンビークでは医療機関も医者も不足している

先日、マプトから帰ってきたら、大家さんが病気になっていた。
マラリアで血圧が高くなってしまっているという。
マラリアには5種類あり、ひどいものだと早期治療がなされないと死に至る。
大家さんは嘔吐や他の症状もあり、食事はおろか一人で歩けなくなっていた。

ナカラの公立病院に行き、事足りず州都ナンプラの病院に行き、
またしても事足りず
具合は悪くなる一方なので、伝統的な治療が受けられる病院へと向かった。

伝統的な治療というのが、東洋でいうところの中医学のようなものなのか、
祈祷師などが登場するものなのか分からないが心配でならない。

統計や本で学んだ、途上国での5歳以下の乳幼児死亡率や医療機関の少なさ、
医師不足などは知っているつもりだったけれど、それはただの情報として、
知っているに過ぎなかったということを改めて思い知らされる。
実際に、流産や乳幼児の死亡は珍しくないし、50代や60代で亡くなることも
平均寿命約
50歳のここでは珍しくないことである。

2
年という本当に短い期間だけだけれど、実際に生活してみると
今まで知っている気になっていたことが、
においを帯びてそこに現れる。

私は体が丈夫な方ではないのだけれど、今までは限界を超えても
病院に駆け込めばすぐに何とかしてもらえた。しかも3割負担で。

ここでは社会保障が整っていないので、お金がないと医者には診てもらえないどころか、
お金があっても必要な設備の整った施設が国内になかったりする。

どこに居ても、命ある限り生を全うすろことは権利ではなく、
義務に近いのではないかと思う今日この頃である。

 

ナカラでは手に入らない青梗菜と大根をマプトでいただきました。うめぇー!