ある晴れた昼下がり 市場へ続く道
荷馬車がゴトゴト子牛を乗せてゆく
可愛い子牛 売られてゆくよ
悲しそうな瞳で見ているよ
ドナドナドナドーナ 子牛を乗せて
ドナドナドナドーナ 荷馬車が揺れる
という光景に、出勤途中にであった。
ただ、彼らは子牛ではなく子山羊であり、
荷馬車ではなくトラックであった。
ちなみに「悲しそうな瞳」までは確認できなかったが、
それぞれが紐でくくられていたので、どの子山羊も
カーブなどで揺れると落ちまいと踏ん張っているようであった。
実は日本語訳されているこの歌詞は元のイディッシュ語
(東方ユダヤの言葉)のものの一部であり、実際には
タイトルは「仔牛」で、4番まであるらしい。
日本語訳されていない部分は以下の通りで、
哀れな仔牛を人は縛ることができる
そして連れてゆき屠殺することも
翼を持つものなら空高く飛んでゆく
そして誰の奴隷にもなりはしない
作者とされているイツハク・カツェネルソンは1886年生まれ、
ポーランドのユダヤ人学校で教師をする傍ら、多くの歌や
戯曲を書き、ユダヤ人の闘争団体とも密接な関係にあったそう。
1942年に妻と二人の息子がアウシュビッツへ強制移住させられ、
彼はその印象をこの歌に託したが、その後自身も強制移住させられ、
妻子と同様に44年にアウシュビッツで死亡したとのこと。
この歌はユダヤ人に対する民族虐殺を歌ったユダヤ人の歌に他ならない。
世界の民謡には様々な背景があるんだなァと思った、ある晴れた昼下がり。

