ナカラには車線も信号も、ない。

中央分離帯は、ある。

そんなこの町では交差点の走行やすれ違い時、バス(シャッパと
呼ばれるバンの公共交通手段)などの追い越しにおいて、
ウインカーやクラクションを頻繁に使用する。

日本以外の国で初めて生活する中で、車を運転してみると、
日本で運転していた時のルールがあまり通じないことに気付かされる。

そこで私は特に運転中はできるだけモザンビーク人になりきるように心がけている。

まず、譲り合いという概念はここには存在しない。
皆、我先に。である。

なので、私も家の前の無舗装道路から舗装されている通りに出る時は、
安全確認を十分にしたうえで、我先にという気持ちを忘れずに
思い切ってアクセルを踏むことにしている。

日本であれば、あっちが優先だからとか、その場の全体的な流れを考えて、
あの車がこう行けば今度はこの車がこう進むから、
こっちは何番目に動けばいいなとかを考えて、
スムースにその場がおさまるものだけれども、
ここではそんなことは誰一人として考えていないので、
もたもたしているといつまでたっても右左折すらできずに、
後続車から大きなクラクションを鳴らされ、
さらにそれが交差点であれどこであれ、後ろから追い抜かれる。
ので、その車が私の進路を邪魔してさらに立ち往生する
という悪循環に陥るのである。

バイクも車も関係ない。
皆、我先に。だ。
そこで私も、我先に。という概念を忘れずに運転してみると
これがまた不思議とスムースに場が流れるのである。

もちろん一般的な交通ルールには従ったうえでの、安全第一の、我先に。
咄嗟の判断・決断力が試され、鍛えられている気がします。

たまに若い運転手とかで無理なことをしてくる輩がいるので、
そういう時は即座に遠慮なくクラクションを全力で鳴らし、
手のひらを返したまま片腕を手前から前方に大きく振り上げる。

これで完璧だ。

ただ普段は目立たないように、逆恨みされないように、地味に運転しています。


車体のあらゆる部品は防犯対策として鋲打ちされている