涼 -6ページ目

涼への手紙

やはり今晩は涼と逢えないようです。

夏休みの課題の論文ができあがっていないとメール

働きながらだから仕方がないでしょ。

わたしが代わりに論文を書いてあげたいくらい。

かわりに次回逢う日は5日に約束。



今更ながら何で涼はわたしと逢うの?

自分を確認するため、自分の価値をわたしの中に見ているの?

わたしが涼を求めることに自分の存在価値をみているの?????

涼にはほかに自分を求めるひとがいるじゃない。

わたしにもとめなくてもいるじゃない?

わたしでないとだめなの?

本当にそうなら、うれしい。

でもそれもわたしの幻想?それとも妄想?
涼と出会ったのはGW後の週末。

学会から帰ってそのまま目黒で出会った。

そしてもう秋?

秋が来たような涼しさ。

鈴虫が鳴き、ちょっと冷たい空気が私の胸をきゅんとさせる。

黄昏の秋。

なんだかこの恋も終わってしまいそうな

た そ が れ

理由もなく涙がわいてきてしまう


こういった日が一番辛い。

土日、涼の時間があるときにメールの返事が来ない。

涼の恋人が泊まりに来ているの?

涼はその恋人に別れを告げたと。しかしその恋人は別れたくないと。

愛はないが好きだと、だからズルズル続いていると。束縛されていると。

わたしは涼を束縛しない。というかできない。結婚しているから。



涼はまだ24.まだまだ若い。いろいろ遊びたいし、いろいろチャレンジしたい年頃。

わたしが24の時は国家試験のためにずっと勉強していた。

Black Jackのようになるために。

いまは地位も名誉もある。しかしなにかが足りない。

こころの真ん中にぽっかり孔が空いていて、さびしい。

涼といるときだけが幸せに満ちあふれている。こころの孔が一時だけふさがる。



涼は学生。もしかしたら実家でレポートを作成中かなあ?

集中しているときはまわりの情報をシャットアウトして勉強するタイプ。

わたしとは全く違うタイプ。わたしは集中することが苦手。一時しか集中できない。

でも恋には集中してしまうらしい。情けないなあ。