スピリチュアルな草間彌生さん | Indigo and Crystal

スピリチュアルな草間彌生さん

国立国際美術館の「絵画の庭展」に展示されている草間彌生さんの作品を見て、私の彼女(と作品)に対する印象がガラリと変わりました。

まず、草間彌生さん自身のファッションがあまりにもキョーレツなので、「ヘンなおばはん」というイメージが今まで拭えなかったんですね。

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それと、草間さんの作品は水玉の集合体だったり、男性の性器の集合体だったりするので、「集合体恐怖症」の私は、今まで彼女の作品をじっくり鑑賞することができなかったんです。

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でも、絵画の庭展に展示されている作品はソフトな集合体だった(密集していない。1つ1つの物体の間隔が広い)ので、集合体恐怖症の私でもじっくり鑑賞することができました。

草間さんって、統合失調症(旧呼称:精神分裂病)らしいです。でも、彼女の作品からは、その病気が感じられませんでした。

というのが、数ある精神疾患の中でも、統合失調症を患っている方が描いた絵は、作者が違っていても、ある共通点があるのですぐ分かるんです。「あ、統合失調症なんだな」って。

でも、草間さんの絵からはまったく統合失調症を認識できませんでした。どちらかと言うと、統合失調症ではなくノイローゼの方が描いた絵のように見えました。

彼女は正規の美術教育を受けているし、長年、前衛芸術家として沢山の作品を創ってきたから、どの作品もすごく洗練されているんですよね。

隙のない美しさというか、美の調和というか。だから統合失調症を感じさせないのかな。とにかく、草間彌生さんのすべての作品から知性と洗練された美しさ、そして愛を感じ取ることが出来ます。

草間さんの作品を見ながら、大津のアウトサイダーアート展で「自分の絵が洗練されていくのがイヤだ」と言っていた奈良美智さんの言葉を、私は思い出していました。

それから、草間さんは非常にスピリチュアルな方なのではないでしょうか。どの作品からも、魂の救いを求めているような強い精神性を感じたのですが。

彼女は統合失調症だから、絵を描くことによって精神のバランスを保っているというより、もっと根源的なもの(神の愛、生きる意味、超越した精神性)を求めて絵を描いているように感じました。

魂の救いを求めると同時に、彼女はショッキングな作品を創ることによって(そして彼女自身もショッキングな生き方を貫くことで)、私たち(閉鎖的な社会)に挑戦状を叩きつけているだな、と思います。その辺は、歌手のマドンナと合い通じるものがありますね。

草間さんって、ものすごーく頭のいい人なんじゃなかろうか、と思うんですけど、なにぶん彼女の格好と言動がキョーレツすぎて、凡人の私にはよく分かりません・・・。