白ゆき姫殺人事件(集英社文庫) | 経営コンサルタントの読書備忘録

白ゆき姫殺人事件(集英社文庫)

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)/集英社
¥648
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湊かなえさんの推理小説。

映画化でヒットしているのか、ヒットしているから映画化したのかわからないが、帯には70万部突破との表記。

すごい。


やるな、と思った小説だった。

作者の工夫の勝利だと思う。

ネタバレにならないようにまとめれば、視点を工夫し、シーンを喋りかけられる場面と呼んでいる場面と回顧する場面に限定することで、客観的な描写の場面を無くし、読者に真実と第三者の解釈を混同させることで意外性を生み出している。


経営コンサルタントの観点からこの「視点」を考えてみたい。

ビジネスにおいてもこの「視点」を変えることで気付きを得られることは多い。

逆に言うと、「視点」を制約されると、もったいないことが起きることが多い。

例えば、プレゼンをするときに相手に「話す」や「伝える」という話者の視点で考えていると、どんなに頑張ってもピントが外れることがあるであろう。

プレゼンで大事なのは話者は聞き手の立場に視点を移し、聞き手がプレゼンの後に「更に他者に話す」ことをイメージし、聞き手がどのような目的で誰に「話す」のかを考えることが大事だ。

例えば、営業のプレゼンであれば、そのプレゼンの聞き手はもしその営業されたものに興味を持って購入したいと思ったら、次は上司なり関係部署に購入の稟議を上げなくてはいけなくなるはずだ。

視点を移すことでそこまで考えられたら、営業のプレゼンは「自分が喋りたいことを喋る」のではなく、自ずと「聞き手が次に稟議を挙げる際に説得力を増す情報を話す」ことが大事だと気付けるであろう。

視点を目先から解放し、目先の更に先や周辺に移すことで気付くことは多い。

視点というのは面白い。


この本はとにかく視点とそれを視野狭窄にする文筆力がすごい。

この作者の本は次も購入するな。