経営センスの論理(新潮新書)
- 経営センスの論理 (新潮新書)/新潮社
- ¥799
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昨年か一昨年あたりの一橋大学教授による新書。
著者はその前に「ストーリーとしての競争戦略」をヒットさせている。
要は、経営ってセンスでやるものであって、著者は学者だけれども経営に理屈はほとんど通じないと認めている。
実証なんてありえないと。
あとは、社会科学者の本にありがちな先輩の著名学者への「よいしょ」が目立つかな。
これを経営コンサルティングの視点から考えてみる。
このような考え方は、経営コンサルタントでもその流派の人はいるのだが、経営コンサルタント界隈でのいわゆる「右脳サイコー!」派に近いような気がする。
そういう経営コンサルタントは得てしてパートナークラス、もっと言えば、年配のパートナーに多い。
一昔前のパートナーと言ってもいい。
「経営はアートだ!」「経営はセンスだ!」という感覚をもっていてそう公言する。
また企業でも古い企業の年功序列で上がってきた年配の経営者には同じようなことを言う人が多い。
そして、そこで共通するのは、自分にはそのアート能力やセンスがあると匂わせていることかな。
基本、ものごとを「アート」や「センス」と言ってしまうのは逃げだと思うな。
楽だもの。そういっとけば。そして、そういっとけば、反証できないから、自分のポジションは安泰だし。
企業は、「アート」や「センス」と言われているところをいかに形式知化し、それを技術として導入して生産性を高めていくというのが競争を左右するのはないだろうか。
学者は、「アート」や「センス」と言われているところを法則性を見出し、その再現性の論理を世の中に新たに提示するのが仕事ではないだろうか。
要は、「アート」や「センス」という気持ちはわかるが、それを言ったらおしまいよ。
というか、それを言う人はもう一定の成功をおさめていて、もう安定に入った“あがった”人だと思うな。
未来ある人は、「アート」や「センス」と言われているものの中になにがあるかを見出すことに力を注ぐべきだと思うね。