科学を語るとはどういうことか(河出書房新社) | 経営コンサルタントの読書備忘録

科学を語るとはどういうことか(河出書房新社)

科学を語るとはどういうことか ---科学者、哲学者にモノ申す (河出ブックス)/河出書房新社
¥1,575
Amazon.co.jp

週末に紀伊國屋書店で目についたので購入。

両方とも学者で、科学哲学者と物理学者の議論の本。


議論というよりも、討論かな。

これは、予定調和的ではなく、最後まで話が交わらない、学者同士のガチの意見対立で面白かった。

最後まで、二人の見解が交わらないし、かなり物理学者のコメントが辛辣で面白かった。


この中で、物理学者が科学哲学者を糾弾している。

糾弾内容は、哲学者たちは権威ある人をもちあげていて、権威主義であって、科学的な態度ではないというもの。

これを経営コンサルティング視点で捉えると、哲学者たちはファクトベースじゃないってことだよな。

逆に科学者は権威なんかよりも実験結果次第でいくらでも理論を捨てるということだからファクトベースってことだよな。

経営コンサルティングの一つの価値に、経営者の思い込みをファクトによって解放してあげるというものがある。

経営者って、現場から遠いところにいるために現場の事実から遠いところにいる。それでいて、経験だけは豊富なのでこれまでの経験に基づく思い込みで演繹的に意思決定をしがちである。

それはうまくいくときもあるけど、ケースがそれまで経験したものと異なれば、うまくいかないことの方が多い。

それを、現場の事実を拾ってきて経営者に客観的に報告することで、経営者の思い込みを壊し、冷静な意思決定を促すというもの。

哲学者って、この本を読んでいて思ったけど、本当にファクトよりも自分の頭の中の思い込みを大事にするのに驚いた。


たまに、“哲学的”って思慮が深いみたいな感じで褒め言葉で使われることがあるけど、哲学的な人には経営はできないなと痛感したよ。なので、これからはあまり経営者に対しては“哲学的”って言葉は使わないように気を付けることにする。