仕事が忙しくなるにつれマルシチのボディー開発も進んでいった。体内にディスポーザーとタンクを組込み、取り込んだ食物や飲料から水分を分離、電気分解し水素と酸素を、残った有機物を炭化しエネルギーとして利用しハイブリッド化に成功した。下腹部にホース状の残渣の排出口を臀部の割れ目の中心下部にガスの排出口を設置した。プゥ ガスの排出テストが成功すると同時にドアが激しく叩かれた。
入ってきたのは昔の同僚籾山だった。
籾山は大手ゼネコンエンジニアリング会社に勤める松木の元後輩で、当初松木一人でマルシチの開発をしていたところに突然押しかけ、全ての秘密を知ってしまった。 以来事ある毎に開発に協力している。
「チタン製額カバー他いろいろ出来たよ」
おお!有り難え!大分軽量化出来るよ!!
『こんちは モミヤマさん』
籾山は気が向くと誰の家でも突然押しかけ飲んだり食ったり土産くれたりながなが馬鹿話したりするヤツなので、無駄に知り合いが多くネットワークが広い。時たま役に立つ松木の腐れ縁だ。