な、何だテメェ！ ヤンのかこの野郎！
歌舞伎町飲み屋街の裏路地でホスト風のヤカラがガナる。
ガナられているのは ぼおーっと突っ立った巨漢の男。『おなご一人にオトコ3人はズルいなぁ』大男の後ろには半泣きのヤン姉がしがみついている。
そいつはカネもねぇのにウチでアソビまくりやがって！！ツケ100万超えてんだ！！いいからコッチよこせ！ さっきと別のヤカラが吼える。
『ああ〜ん そりゃ悪いなあ、ちゃんと払わんと』
「２回しかツケてないのに！100万超えるって！ボッてるのはそっちっしょ！！」女も吠える。
いいからよこせ！女に掴みかかろうとした三人目のヤカラが突っ込む ゴンんーー
突っ込んだヤカラが大男の二の腕に額をしこたまぶつけて吹っ飛んだ んギャ 踏まれた猫の様な叫びを上げてヤカラ二人の前に倒れ込んだ。 押さえた額からは薄暗いネオンに照らされ黒い鮮血が見える
テメェこの野郎！やりやがったな！！
『おりゃあなんも』大男は女に触らないようにホールドアップ姿勢のまま 最初のヤカラが大男の胸元に駆け込みながら拳を叩き込んだ
ドゥンーー うきゃっ！飛び込んだヤカラの手首があらぬ方を向いている。転がりまわるヤカラ二人に焦るさいごのヤカラ。
さーせんでした！ 残ったヤカラはあっさりキビスをひるがえし逃げ出した。それを見た二人のヤカラもそれぞれの傷手を抑えてそれに次いで走り去る。と同時にヤン姉もヤカラとは別の方に走り去った。
ほっ 『あぶねぇ また松木さんに怒られるとこだった』大男はそのままその路地のビルの階段を登って行った。
あらぁマルちゃんいらっしゃい わるいわねぇ〜忙しいのに、、場末のスナック、煙草の煙を吹き出しながらガラガラ声のママが言う。