平成の終わりと美智子皇后陛下との思い出 | いち元JW2世の社会復帰方法 ー思想とキャリアの再構築まで

平成の終わりと美智子皇后陛下との思い出

いよいよ、今日で平成が終わります。

譲位による改元になることで、これほどの祝賀モードで迎えられるのを見るにつけ、今上天皇・皇后両陛下の日本国民への想いの深さに改めて頭が下がります。

 

僕には、非常にささやかですが、美智子皇后陛下との思い出があります。

 

中学生のある日、その日は学校行事の振替休日で休みでした。一方、世の中は平日ですから休みは自分たちだけでした。

 

その日、ふらっと自転車で散歩に出ると、大通りに警察官が数メートルおきに配備されていて、物々しい雰囲気になっていました。比較的のどかな地元でこんな様子を目にすることは滅多になく、何事かと思っていたところ、どうやら天皇陛下が自動車で通過するらしいことが分かりました。

 

生でお目にかかるのは初めてだったので、歩道側で通過を待ってみることにしました。平日のため周囲には警備の警察官の他には誰もおらず、本当に自分だけが車道わきの歩道にポツンといる状況でした。

 

10分ほどして、陛下を乗せた車ご一行が目の前を通りました。僕がいる歩道側は、車から見て左側だったので、後部座席には美智子様がお掛けになっていました。僕の目の前を通過するのにかかった時間は、おそらく数秒だったでしょう。でも、美智子様は民間人が道路わきにいるのを見て、手を振ってくれました。僕のほかには誰もいませんので、まさに僕に手を振ってくれたと言って良いでしょう。

 

でも、JW2世の僕は立ったままで手を振りませんでした。そんなことをしてもらえるとは思っていなかったのもありますが、JW2世としてどうして良いか分からず何もしないことを選んだとも言えます。「手を振ることがJWとしていけないこと」だと明示的に言われていた訳ではありません。しかし、何らかの尊崇の念を示すことが憚られる思いがあったのも事実です。巡回監督なら手を振るのか、支部委員なら手を振るのか。僕は振らないような気がしたのです。

 

同時に、手を振り返さなかったことで、失礼なことをした気がしたこと、美智子様が自分のような者にも手を振ってくださったことに少しの気持ちも返さなかったことに後悔の念も覚えました。なので、こんなタイミングでもそのことを思い出すのでしょう。非常にささやかと言えばささやかですが、JW2世でなければ決して起こらなかった忘れられない出来事です。

 

皇室に対しては僕自身は下記のちきりんさんの考えととても近いです。

驚くべき思慮の深み

 

NHKスペシャルをはじめ、今上天皇・皇后両陛下の歩みと思いを振り返る番組を見ると、改めてどれだけ日本国民のことを考えてこられたのか感謝の念に堪えません。今後は少しでもお体を休ませご自身のための時間を過ごして頂きたいとそれだけを願います。