昨日、コスモス薬品さんの脅威的なリカバリー力を書きましたが、

平時にあってどれだけの有事を想定しているか。ここに尽きるような気がします。

県庁に物資が集まり、そこから各避難所にモノが行き渡らないそうです。

もちろん前代未聞の群発地震、交通インフラ、ライフラインの寸断、想定外ということは簡単です。

ですが、東日本の教訓はあるわけです。東日本も同様のことが生じました。しかも熊本より広範囲です。そのときに役立ったのが地元の卸企業のセールスルート。ふつうは使わない道をたくみにつなげて物資を届けました。

行政にはそもそもロジスティクスのプロはいません。自衛隊だって輜重は格下文化です。

ですが平時に最悪を想定し、道が封鎖された場合の有事のロジスティクス体制をどうとるかを民官で考えるかが東日本の教訓でした。おそらくこのような協働シミュレーションはしていないでしょう。

熊本は昔からダラダラ坂で細い道が多いといいます。西南戦争時、政府軍が大砲を引いて通れる道は田原坂だけ。だからここは大激戦区となりました。

古い道は細い道が多く、一度寸断されると迂回することも難しくなります。

政府軍は八代から海路兵力を増員し、鹿児島を一気におとします。

話がそれてしまいましたが、有事を想定して平時のシミュレーションを行う、よくやっていますが、ライフラインを寸断された場合、交通インフラが使えない場合、少なくとも3日間どうそれぞれが生き抜くか、どう物資を届けるか、戦時と同じくらいの最悪(リアル)を想定してシミュレーションを行うことが大切でしょう。

もう一つの教訓。昭和の帝国海軍が陥った驕り。

猛訓練による優れた職人パイロットを養成する一方、戦法のシミュレーションはアメリカの戦艦の艦砲射撃精度は我が軍の7割だの勝手な根拠で「勝ち戦」を想像しました。参謀と呼ばれるエリートの劣化を示す事例です。

同様に官の制度設計能力の劣化は激しい。こういう有事にはじめて露顕するのが残念ですが…。