清原氏の転落はやはりショックだ。西武黄金期、秋山、清原、デストラーデのラインナップは最高だった。宇部商で当時最強だったPLと甲子園で戦った食品EC企業のM社長も「彼らと戦ったのは生涯の自慢だよ」と語ってくれたな。

いろんな友人、恩師たちが転落者にコメントしている。

だが…と、ふと思う。やはり彼には本当の友人がいなかったのかもしれない。並び称されたもう1人のKも決別してしまったという。

なでしこの佐々木監督の言葉を思いだす。彼は遅刻してきたチームメイト本人を怒らない。遅刻をせずにすました顔で優等生然とする仲間に「なぜ声をかけなかったんだ。それでも仲間か?」と叱る。

確かにプロ野球は落合氏が言うように生き馬の目を抜くような世界。とって喰われるような厳しい環境であることは言うまでもない。戦力外通告ではないが、他者にかまうような余裕はない。それは球界に限ったことではないし、そもそも本人がその現実にどう向きあうかという問題だ。

が、夢を売り物にする世界で本物の友人すら作れず、息子という最後に残された絆も反故にしてしまった元スーパースターの孤独と現実に慄然とする。彼が野球から得たものはなんだったのだろう。