「日本人の味覚は世界一繊細だと思う」。

先日空港を大急ぎで歩いていたときにふと見かけた某お茶ペットボトルのCM。

まあ広告代理店さんが一生懸命キャッチコピーを考えたのでしょうが…。

ふと気になってネットの世界をのぞいたところ、

「自意識過剰」

「ペットのお茶とふつうのお茶を比べるな」

とか、いろいろネガティブ意見が(笑)。

私もツッコミを入れたいわけですが、

一応、丸山圭三郎先生に習った立場としては、正確に言えば、

「日本人は味覚あるいはお茶に関して世界の中でもトップクラスの豊富な言葉を持っている」ということなんでしょう。

たとえば、肉やバターの味覚ならフランス人のほうが豊かな言葉を持っているかもしれません。

言葉の豊富さは、それをつかう民族の自然や文化に影響されます。

教科書でもありましたよね。砂に関しての語彙は我々はとうていベドウィンの人には及ばないでしょう。風だって、日本の漁師、マタギでは種類も使い方も異なります。砂漠の民もまた違うでしょう。

まあ広告レベルならよいのですが、安易に「世界一」なんてつかうとちょっと逆に「井の中の蛙」を露呈してしまうことも。

ましてや、羽田空港の中ですからね。自信を持つことも大切ですが、たくさんのお客様を迎える場。

「日本はお茶に関してじつに繊細な言葉を持つ国です。その深さを味わってみませんか?」くらいがいいんじゃないですかねー。