もう一昨日になりますが、介護福祉マネジメントコンサルタントの小川利久先生と接客戦略コンサルタントの藤村純子先生のお話を聞く機会をいただきました。

共通点は、「笑顔」。

小川先生は、特養施設長時代、職員の笑顔を段階別360度評価し、人事考課と報酬に対応させました。入居者の生活の安定が、施設運営の要であり、入居者を心から安心させる笑顔がその起点であると判断していたからです。

藤村先生は「笑顔体操」というユニークな体操を開発、YouTubeにアップし、セミナーではたいてい受講生の方が踊ります(笑)。これで受講生の心の鎧がとれて、セミナーの本質にすんなりと入っていける…ほぼ100%のリピートを誇る人気講師たる所以です。

小川先生は、現在東北大学加齢研究所が進めているスマートエイジング研究プログラムの事務局長も務めています。脳科学と認知症予防に関しては世界でもトップクラスの先生が集まっています。

それによれば、笑顔をつくる「表情筋」は人間のみが動かせるものだそうで、しかもこの表情筋が動いてはじめて、脳が笑いを認識するそうです。

つまり、形からはいるということですね。だから笑顔を見ているとこちらも笑顔になる。無理やり笑っても、そのうち脳が本当の笑顔にしてくれるということです。

アメリカのウォルマートの株主総会がとてもユニークなことは知られています。

なんと言ってもCEO自ら、お尻でウォル★マートのスティーグリー、すなわち「★」描いてしまう。それを見て参加者は爆笑します。

これは創業者サムウォルトンの天才とでも言うべき「人を楽しませる」力に起因します。

サムは暑い夏のある日、子供達をロバに乗せてお店の周りをぐるぐるまわっていました。ところがあまりにも暑くロバは糞を撒き散らし、売場に突っ込んでスイカが散乱、ひどい状態になってしまった。

そのとき、お店を訪ねてきたのが、デービッド・グラスという人物。ひどい店にきたと思ったが、サムと子供達がゲラゲラ笑っているのを見て、こちらもつい笑ってしまった、そしてサムウォルトンに可能性を見出した…。彼はのちにウォルマートの二代目のCEOになります。私の大好きなエピソードです。

いまマクドナルドが調子がよくないのは、「笑顔」に乏しいからかもしれません。かつてマクドナルドは、スマイル0円という看板を掲げていました。これは逆に言えば、スマイルの重要性を認識し、常に気づきを与えるための先人の知恵であったように思います。

正確な検証はしていませんが、このスマイルメニューを店頭から消し去ってからマクドナルドの凋落がはじまったのではないでしょうか。

と、このブログをここまで書いてネットで一応、スマイル0円がどうなっているか検索したところ、なんと復活するんですね(笑)。まさにシンクロニシティ。あっ、本当ですよ。

「笑顔」は人間生活の根幹であり、経営もまた「起点」であるように思います。