日本のチェーンストア志向流通では、米国流通のベンチマークとしてウォルマートがあまりにも有名です。
行く地域によってですが、食品系では、ホールフーズ、スプラウツ、パブリックス、トレーダージョーズ、ウェグマンズなどがやはり視察先としては多いですよね。
ドラッグストア関連ではやはりウォルグリーン、CVSがマストです。
もちろん、これらの企業は常にベンチマークしていきたいですね。
一方で、世界番付でトップテンにはいる売上を誇り、米国スーパーマーケット業態が軒並み衰退する中で、この10年業績を伸ばし続けている企業があるのですが、日本ではあまりなじみがありません。
それが「クローガ‐」です。
同社のすごいところはまだ日本でもあまり知られていませんが、今回はひとつだけ。
クローガ‐の「カスタマーファースト」というプリンシプル(原則)。
小売の世界には有名なプリンシプルがいくつもありますが、
クローガ‐は次の4つをわが店の顧客からコメントをもらうためにあらゆる投資、経営資源を集中すると宣言しています。
1 あなたのお店のスタッフはみな素晴らしいわ!
2 あなたのお店ならほしい商品と+アルファがかならず見つかるのよ
3 素晴らしい買物経験をさせてもらったから、また来るわ!
4 あなたのお店の価格は値ごろね
ミソは、主語が「顧客」であること、そして4つの要素があることです。
すなわち、人、商品、経験(コト)、価格の4つの満足を同時に満たす努力をしているということです。値ごろということは、絶対値としての安売りではなく、相対的な価格への評価ということです。
日本でもお客様から「有難う」といってもらった数をカウントし、それをスタッフ評価に結び付ける、待遇に反映するという制度を導入している会社がいくつかありますが、
クローガ‐は4つのKPI(重点評価)があります。
そしてこの4つの満足を高める不断の努力が「リテールブランド」となるように思います。
6月の弊社の米国セミナーは機会を得て、クローガ‐のシンシナティにある本社を訪問します。
いまからワクワクしています。
もちろん、月刊MDで詳解しますよー。