過去に書いたテーマ。


時を経て、すこし熟成した。


「革新は中心からではなく周縁からはじまる」


殊、流通においては私はこう信じている。


アメリカではベントンビルのウォルマート、シンシナティのクローガーなど。


欧州では、スペインアルテイショのインデテックス(ZARA)、スウェーデンエルフルトのIKEAなど。


テレシタ・シー・コソン率いるフィリピンのSMグループ。


日本では、山口宇部のユニクロ、北海道のニトリなど。


限られた商圏の中で繰り返し来店してもらうためには、


便利で楽しい買物が提供されなければならない。ただしこれらは自己満足ではなく然るべき支持(売上・客数)があることが前提だ。


便利さも、楽しさもそれぞれに個々の企業が追求する深い定義がある。


もう一つ忘れてはならないのが、便利さと楽しさを我が店の顧客に継続的かつ公平に提供するためには、組織力と取引先の力を最大限に引き出すオペレーター能力の高さが求められるということだ。この能力の高さが利益を生む。


いくら便利でも、楽しい売場でも、それが顧客のみならず取引先、従業員の幸せ(利益)に還元できるような仕組みがなければ、存在する価値がない。


これからの競争は、


たとえば、低価格戦略の中でも、メーカーやベンダーに対して、


「うちと取引すれば、ほかに比べて利益がでる、それを分かち合いましょう。もちろんそれはうちの人件費を抑えているからではありません。むしろ年収は業界でトップクラスです。人材開発、教育にはふんだんに投資しています。これまでの流通のムリ、ムダ、ムラを排した新しいモデルづくりによって、よそよりもお取り引きに多くのお金を払えるのです」


理想論かもしれないが、こう堂々と言える小売チェーンが革新の担い手だし、伸びていくだろう。


そして、それは周縁から生まれる。