大塚家具のお家騒動。絶好調時代に一度だけ会長にインタビューしたことがあります。

そのとき印象に残ったのは、

「家具はお客様の目が厳しい。傷物は嫌がるだからうちは配送業務も厳しくチェックする。家具を設置するまで絶対気は抜かない。」

というフレーズでした。

まとめ買い、コンシェルジュサービスが古いスタイルだと言う向きもありますが、大塚家具が伸びてきたのは、このお客様視点の徹底であるとそのとき思ったものです。

私も流通界の跡目争いをいくつかみたことがありますが、今回のようなケースは珍しいですね。

しかしここまで、もつれるとお客様の信用が落ち、取引先の信頼も失い、社員も離れます。

林原のような銀行がストーリーを描き、会社を潰し、表にでないオーナー資産を分捕るという筋書きは今回考えられませんが、

単に経営スタイルの相違でここまでもつれません。なんらかのお金が絡む思惑も交差しているのでしょう。

しかし、小売業のブランディングにおいては下手を打ちました。

周囲が見えないほどに、感情的になってしまっているのか、それともあえて下手を打っているのか。この違いは大きい。

かつて、ユニクロの柳井さんも家業を継いだとき、親父時代からの古参幹部を切った話は有名です。

きょうの会長会見の後ろに立つ幹部社員たちは、会長派の側近なのでしょう。見ていてちょっと痛々しいかんじがしました。会長も子飼いの部下がよそにやられている現状に義憤を感じたのかもしれません。

さて、この先、目が離せませんね。