春節を迎えて、訪日外国人の方々のいわゆる「爆買」が話題になっています。


とくに中国、台湾の方々はすごいですね。


アイテムでは、


家電チェーン、ドラッグストアなど「家電、コスメ、医薬品関連」がとくに人気が高いようです。


ところで、なぜこんなにお金をおとしてくれるのか。


テレビコメンテーターのチーフなんちゃらという肩書の人は「円安効果」とひとくくりにしてしまいますが、それだけではありません。


観光客は「日本製品が国内の半額で買える」といいます。


これは円安だけでは実現できません。


じつは、とくに中国は輸入日本製品(メイドインジャパン)を売る場合、中間流通フィーがかなり大きくなります。


だから中国国内で日本製品をかうとかなり高くなります。おそらく2-3倍です。


日本から輸入品を入れる場合にかかる費用内訳を簡単に説明しましょう。


ある商品を輸入する場合、まずは中国の各港にある「保税倉庫」にいれます。ここで増値税はじめ諸税を払い、通関手続き、商品検査、輸入認可シールを貼付します。


その後、流通企業の「倉庫」(センター)にはこび、保管、パレット積み替え、検数、検質、帳票チェック、パッケージ変更などの作業をおこないます。


次に倉庫(センター)からチェーンのセンターへ直接納品、あるいは地方の個店と取引のある代理商(卸)のセンターに送られます。


ここから「店舗」の売場に並ぶまでにはさらに「流通フィー」がかかります。


流通フィーには、「入場料(1SKU当たり)」「販促費」「陳列エンド使用料」「DM費用」「販促企画料」「返品物流費用負担」「盗難コスト負担」・・諸々。


これらを全部足し合わせて店頭「売価」がつけられるわけです。


だから旅行費用を捻出して一族郎党、友人たちのものまで「買えるだけ買って帰る」・・そういう心境になるのでしょう。


免税手続きを経れば、半額かそれ以下で化粧品や家電商品が買えるわけです。しかもかれらの情報力ははやい。どこになにが置いてあるか、どこよりも安いか。こういった情報をすでにたくさん持っています。


逆にいえば、中国国内の「日本輸入商品」が苦戦しそうです。


これらは相対的に成り立っているわけですからね。


いずれにせよ、インバウンド戦略はますます進化しそうです。流通も新たなリピーターをどうつくっていくかが大切になっていきそうです。