実証実験は失敗に終わり、当事者は退職だそうです。
理研はきれいな幕引きを考えているみたいですが、ある意味とかげの尻尾切り感も否めません。

この問題は科学の問題からマネジメントの問題に移して考えるべき必要があります。

なぜ、彼女が抜擢され、一流と呼ばれた人々が後押ししたのか。

なぜ失敗したのか。では論文はどうやって作成されたのか。

これは今後の基礎研究をどうやって育成していくかという意味を持ちます。

ノーベル賞に結びつく研究も20年以上の歳月が必要です。もちろん成果は一握り。見方を変えれば限りない失敗を許す環境が支えています。

短期成果と長期戦略をどう組み合わせるか。昔渥美先生より、先生の同期が高分子理論の大家で、ようやく20年後に生理用品やオムツに生かされたという話をうかがいました。

基礎研究と産業のリンクは短い周期になりつつありますが、短期成果に結びつかなかった場合、どこで失敗したか、どう撤退するか、失敗データベースをどう蓄積するか。

このマネジメントが確立していなければ、まさに今回のように実証のためにさらに税金をつぎ込む愚を犯します。

「犯罪人のような扱いで科学の実証実験をするなんて…」といった方がいましたが、これもマネジメントの欠如を象徴する言葉ですね。

話は変わりますが、総務省かどっかで変な人を募集して予算をつけたそうです。

こういうチープなアイデアはおおかた代理店の持ち込みでしょうが、一年しないうちに忘れられていくでしょう。

私も経験があるのですが、この手の企画入札って大体出来レース。私がある入札に行ったとき、「なんであなた方がいるの?」みたいな顔をされました。

まあほんと世間知らずでしたね(笑)。