先日のブログで、ゴルゴ13がなぜ世界の問題に先駆けたストーリーテイリングができるのかということをとりあげたのですが、

ひとつはやはり問題の本質を追求しているから。

もう一つは、ゴルゴという日本漫画界が生んだ最大のアウトローの存在です。

ゴルゴ13は歴史も利害も宗教的信条にもかかわらないスナイパーです。

まさに破壊神です。

このゴルゴが補助線となり、対立や協調が浮き彫りになり、さらには見えない関係性が露わになる。

たとえば、ハマスとイスラエル、どちらがいいとか悪いとか既存のマスメディアは断言できません。まあいえば偏向だなんだと大騒ぎになります。

ところが、ゴルゴは個人的信条に依拠せず、どちらかの依頼でキーマンを葬る。そうなると均衡が崩れます。そしてここにはかならず因果が生じます。

つまり、ゴルゴという補助線によって、因果が露わになり、均衡を崩すことで本質を導く、その延長線上に互いの大義名分に明確な意図と目的がより顕在化してくるわけです。

だから現実のキーマンが消去されると、ゴルゴのストーリーテイリング上の想像にちかくなる…。

優れた補助線は、難解な問題を解きほぐします。

まさにゴルゴは数学の定理のような普遍性を追求しているのでしょう。

だからときに因果の順序も入れ替わるのではないかと思います。


iPhoneからの投稿