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月刊MDの常連筆者のひとり、加藤直美さんの近著をいただきました。

タイトルがいいですねえ。

帯にもありますが、売場にまつわる販売心理のレトリック事例が取り上げられています。

例えば、こんなお題。皆様ならどれを選びますか?

①有機栽培のレタス298円
②朝採りレタス218円
③無菌無農薬の植物工場製レタス198円


朝採りなんて言葉にやはり響きます。

でも、この中で一番農薬が使用され、常温輸送のため食感、栄養価が失われているとしたら…。

加藤さんはこんな話も引き合いに出しています。

ある合鍵屋さんが、駆け出しの頃、なかなか鍵が開けられず、時間がかかっていたころ、依頼者は、一緒になって応援してくれ、メニュープライス1万円プラスチップもはずんでくれたそう。

ところが、キャリアを積み、1分で鍵を開けられるようになると、「1分で1万円?」と言われるそうです。当然チップなんかなし(笑)。

これって、人間の心理をよく表している事例です。

技術と手間のジレンマと言われるものですが、手間がかかるもの、手作り、自然、天然…と冠がつくと有り難みを感じてしまうのが人間の性です。

もちろん、手間も手作りも自然も有難いもの。

でも、レトリックとしてのキーワードにもなるので注意したいもの。

虚飾を排し、お客様の賢い買物の手助けをするのが小売(プロ)の大切な役割。

くれぐれも心理会計、心理経済のレトリックに踊らされないようプロは心掛けたいものです。



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