政治問題はあまりとりあげたくないのですが・・日本の農水産業の死活問題であるTPPがほぼほぼ合意したそうです。

おりしもこの国のトップはGW外遊中。なんともうまいタイミングですね。

領土と集団的自衛権を認めてもらう代わりに、関税自主権を放棄・・そんな図式が思い浮かびます。まさにナショナリズムとグローバリズムの相克。

古今東西、本質的問題から国民の目をそらすには、領土問題を煽るのがもっとも効果があります。

日本の民度はそこまで落ちていないと思いたいのですが・・。

TPPはこのブログでもたびたび流通的な視点で時折、とりあげましたが、

たとえば日本の優れた農作物や加工食品はジェトロの見本市などでは大好評を博すでしょうが、その地域の主要客層が利用する流通にのせて継続的に売り続けることができるかどうかは、至難の業です。

ここを勘違いしている人がとても多いですね。ようは人材がいないわけです。

日本の美味しい米を現地の高級百貨店で売って、「日本ブランドが支持されている」なんていう番組をいくつも見てきましたが、一過性のイベントではなく、利益の出るビジネスモデルとして確立している例はほとんど見たことがありません。

もうひとつ、愛読している吉田繁治先生のメールマガジン「ビジネス知識源」を読んでおりましたら、非常にショッキングなことが書いてありました。

日銀の「バズーカ砲」と言われる異次元のマネー供給は、国内の産業育成のために設備投資、需要喚起のための施策に生かされているのではなく、米国債購入に向かっているというもの。

メガバンクのBSPLを調べたところ(公表データです)、なんと日本国債をどんどん日銀に売り、そのキャッシュで、米国債を買っています。

米国は年間100兆円以上の米国債を売って、国内にキャッシュを呼び込まなければ成立しない経済です。

ヘッジファンドによる「日本株買い」で日本株が上昇し、その目くらましの陰で、日本が安定的に米国債を買ってくれる仕組みをつくりあげたのではないか・・。そんな陰謀論も見え隠れします。

まあいずれにせよ、こういうシナリオをつくれる人が、本物の参謀なのでしょう。日本に本物の参謀はいるのでしょうか?

リアルな世界の現実にまっこうから立ち向かえる本物の知恵と自立心を持った参謀とリーダーが不在です。

真の国益とはなにか。深い議論を呼び起こしたいものですが、果たして・・。