原価アップの時代、流通業はサプライチェーン、そしてSOP(セールス&オペレーションプランニング)の精度向上がキーワードとなります。




SOPとは、マーケティング計画と物流計画を統合し、経営層と生産、販売、在庫管理などの各部門が情報、認識をより密接に共有することで競争優位を作り出そうとするマネジメント手法。



具体的には販売金額単位で組み立てられた事業計画、財務計画などと、数量が単位となっている物流計画、店舗販売計画とのギャップをどちらかの単位統一することで、すべての計画を統合。事業計画と実行計画で共通するPDCAサイクルを構築することです。




アップル、P&G、コカコーラなどグローバルメーカー、ウォルマート、インデテックス(ZARA)そしてアマゾンなどグローバルチェーン、インターネット企業がその精度向上のために改善し続けています。



手元に、世界的なコンサル&リサーチ企業であるガートナーの世界のサプライチェーンランキングがあります。



この3年の動きを並べてみましょう。ベスト15です。






2010



1 アップル

2 P&G

3 シスコシステムズ

4 ウォルマート

5 デル

6 ペプシコ

7 サムスン

8 IBM

9  RIM

10 アマゾン

11 マクドナルド

12 マイクロソフト

13 コカコーラ

14 ジョンソン&ジョンソン

15 ヒューレットパッカード





2011



1 アップル

2 デル

3 P&G

4 RIM

5  アマゾン

6 シスコシステムズ

7 ウォルマート

8 マクドナルド

9 ペプシコ

10 サムスン

11 コカコーラ

12 マイクロソフト

13 コルゲート

14 IBM

15 ユニリーバ





2012



1 アップル

2 アマゾン

3 マクドナルド

4 デル

5 P&G

6 コカコーラ

7 インテル

8 シスコシステムズ

9 ウォルマート

10 ユニリーバ

11 コルゲート

12 ペプシコ

13 サムスン

14 ナイキ

15 インデテックス





これを見ると面白いですね。



グローバルソーシングのトップであるアップルはさすがです。



この3年でアマゾンがじわりと順位を上げて来ているのも興味深いところ。

やはり量が増えてくれば質も高まる。





マクドナルドも侮れません。日本ではちょっと厳しい局面ですが、やはりグローバルでみればすごい。




一方、IBMやマイクロソフト、ヒューレットパッカードなどは圏外に。これなどは新旧産業の盛衰を如実に表しています。



また2012年は、ナイキやZARAなどを展開するインデテックスなど流通業も順位を上げてきました。





ところで日本勢はどのあたりに?「カンバン方式」のトヨタは??





トヨタは世界ランキング69位。ちなみにアジアでは7位。流通業ではセブン&アイグループが世界ランキング94位です。アジアでは10位。




ちなみに世界のベスト100に入っているのは、トヨタとセブン&アイの2社だけ。ホンダ、キャノン、コマツがなんとか120位以内に入っています。



ウォルマートは「小売業とは物流を武器にした商法である」という信条ですが、中間流通が発達した日本では、なかなか浸透しない概念です。





それでもファーストリテイリング、ニトリ、カインズさんなど果敢にサプライチェーンの構築、SOPの精度向上に力を注いでいる流通業があります。




こういった企業が、世界のトップ100に入ってきてほしいですね。アジアではやはりベスト10



売上ランキングではなく、サプライチェーンランキング。これも流通業を発展させていくうえで重要なメルクマールのように思います。