月刊MDではマンスリーで、主要業態とDgSの既存店と新店含めた全店の「売上高対前年同月比」の経年変化を追っています。


公表データに基づいていますので、すべてを網羅することはできませんが、それでも業態の趨勢をみるには手掛かりになるデータです。


2013年4月の数値が出そろいました。


4月は「アベノミクス」効果がまだ世間で「プラス」あるいは「好意的」に受け取られていたど真ん中の時期です。


アベノミクスの恩恵をもっとも受けたともいえる百貨店は、1-3月はプラス。とくに3月は3.9%アップという、久しぶりの高水準をマークしました。


テレビでも株高恩恵で、高級ブランドバッグ、時計、宝飾が売れているというニュースがばんばん流れていたころです。


ところが4月はその反動か、マイナス0.5という数字。このあたり5月の数字がどうなるのか注目です。


それでも、高額商材と円安による外国人観光客の増加で、免税部門は好調だとか。


この2つ以外は、まだ百貨店もとらえきれていないということですね。


不況に強いと言われた食品スーパーは、業界3団体がまとめたところ306社の4月売上はマイナス2.6%。既存店はなんと14か月連続で前年を割っています。


日本最強の業態、コンビニも既存店ベースで同じくマイナス2.6%減。11か月連続前年を割っています。


このあたりいろいろな不振の理由がありますが、


では、DgSはどうでしょうか?


16社平均で、2.1%増。2か月連続のプラス。


食品スーパー、コンビニに比べると好調を維持しているように見えます。


16社のうち、既存店がプラスなのは、10社。


既存店、新規出店含めた全店の伸び率が2ケタにおよぶ4企業(ウエルシアさん、コスモス薬品さん、クスリのアオキさん、中部薬品さん)が、業界の全体平均を引っ張っています。


売上も大切ですが、より重視したいのが客数です。


客数はチェーンの場合は「レジ通過客数」です。


DgSで公表している8社のうち、4月の客数プラスは5社。そのうち、ウエルシアさん、クスリのアオキさんはなんと二けたの伸びです。


ちなみにコンビニの客数は全体で1.7%減。


客数は、チェーンにおける「支持率」です。


なぜ支持が増えるのか?


便利だから?安いから?近いから?魅力的な商品が揃っているから?・・


この問いに対してフィールドワークを突き詰め、例証していくのが月刊MDの役割だと考えています。


マクロからミクロへ。そしてミクロからマクロへ。


統計学が最強の学問だの、ビッグデータが、ディープデータがどうのというご時世ですが、


数字は使って、生かしてなんぼの世界です。